《ブラジル》追突のゴタゴタで発砲騒ぎに=「この野郎!」被害者車両に5発
サンパウロ州内陸部ボイトゥーバの幹線道路カステロ・ブランコで14日、追突トラブルの末に、男が他の車を目がけて白昼堂々5発も発砲し、危うく殺人事件に発展しかねない緊迫した状況となった。この決定的瞬間は被害者夫妻が動画に収め、SNSで拡散されて話題となっている。容疑者は事件以来、指名手配となっていると16日付G1サイトが報じた。 イベント用品レンタル会社の経営者アドリアーノ・ドミンゲス・ダ・コスタ容疑者が運転する車は幹線道路を走行中、被害者ウィリアン・イゾドロさんとガブリエリ・ギメネスさん夫妻が乗車する車に接触した。被害者夫妻がアドリアーノ容疑者の運転手の後を追い、衝突による損害について話し合おうとした。 事件の瞬間を動画付きで報じる地元メディアのSNS投稿はこちら
被害者の弁護士のナヤラ・ソウザ氏によると、被害者夫妻はボイトゥーバに車で向かっていたところ、容疑者の車に側面から衝突された。被害者夫妻は被害状況を確認するため相手の車に連絡しようとしたが、抵抗され口論になった。 追跡されたことがアドリアーノ容疑者を苛立たせた。弁護士によれば、お互いに2回停車した。最初の停止では、まだ高速道路の路肩にいたが、容疑者は銃を持って被害者の車に近づき、窓を下げるよう指示するが、この時点ですでに被害者は警察に電話で状況を伝えており、車の窓を開けないように言われている。容疑者は銃で助手席の窓を殴った。 2回目の停止では、容疑者が再び銃を手に降りてきて車に発砲した。被害者の男性が答えないので、容疑者は車のタイヤ目がけて1発放ち、助手席の被害者女性にも発砲した。銃弾は車のフロントウィンドウに当たっただけで負傷者はいなかった。その後、容疑者は再び車のタイヤを撃った。 別の動画では、容疑者が助手席の窓に銃を向け「何が望みだ。これで幸せか? この野郎!」と言い放ち、容疑者と妻は車に戻った。被害者夫妻を狙った発砲は全部で5発だったという。 一方、アドリアーノ容疑者は当初、「相手の車の運転手が自分の車の後部にぶつかり、40分も後をつけて家族を脅してきた」と話していたという。自分は妻と子供と一緒に車に乗っており、夫婦の結婚記念日を祝うために家族で田舎に行っていたと語った。 容疑者の弁護士であるルイス・カルロス氏は声明の中で、令状執行時の警察の行動を批判した。「呼び鈴も鳴らさない、あの強引な家宅捜索は必要がなかったはずだ。当初自宅には2人の子供もいた。警察は門を壊し、さらに玄関のドアを破壊した」と彼は非難した。 防犯カメラの映像には、警察が容疑者宅の塀を飛び越え、家宅捜索する様子が映っている。アドリアーノ容疑者は未だ見つかっていない。容疑者は数日中に警察署に出頭する予定だという。 警察は殺人未遂で容疑者の行方と、捜査を進めている。