ヒトメタニューモウイルス インドなど中国の状況「注視」 WHO「異常な感染拡大なし」
世界保健機関(WHO)は7日、ヒトメタニューモウイルス(hMPV)感染症の中国での流行について「中国保健当局から異常な感染拡大の報告は受けていない」と発表した。hMPVは一般的な呼吸器感染症であり、中国を含む北半球の多くの国で冬から春にかけて流行するとして、手洗いやマスク着用といった基本的な対策を呼びかけた。 【画像】ヒトメタニューモウイルスの電子顕微鏡写真 中国北部でのhMPV感染増加について、交流サイト(SNS)などで医療機関の逼迫(ひっぱく)に対する懸念が広まっていた。WHOは、中国の昨年12月29日までのデータによると、呼吸器感染症のうち季節性インフルエンザが最も多く、hMPVも増加していると指摘。ただ、「感染者数の増加は冬季に想定される範囲内」で、ほとんどは風邪に似た症状で数日で回復するとした。また、中国当局は医療システムの逼迫を否定しているとした。 欧州連合(EU)の欧州疾病予防管理センター(ECDC)は8日、中国での季節的な感染増について「特に懸念していない」との声明を出し、WHOと監視を続けるとした。 一方、アジア圏では昨年末から今年1月にかけてインドやマレーシアで感染が確認され、SNSで警戒感が広がっている。インド、ベトナム両政府は今月、中国の感染状況を注視していると発表した。