チェジュ航空の務安事故、179人死亡 韓国で過去最悪の犠牲者数
韓国のLCCチェジュ航空(JJA/7C)は現地時間12月29日、韓国南西部の務安(ムアン)空港で、バンコク(スワンナプーム)発務安行き7C2216便(ボーイング737-800型機、登録記号HL8088)が着陸時に起きた事故で、乗客乗員181人のうち、179人の死亡が確認されたと発表した。 【画像】バンコクから務安へ向かった事故機の飛行ルート チェジュ航空によると、事故は29日午前9時3分に発生。滑走路末端から逸脱後、外壁に衝突して炎上した。181人のうち、乗客が175人、乗員が6人(パイロット2人、客室乗務員4人)で、乗客はタイ人2人を除き韓国人だった。 聯合ニュースによると、生存者2人は乗員で、乗客175人全員と乗員4人の計179人が亡くなり、韓国で起きた航空事故では過去最悪の犠牲者数だという。 事故機は2009年2月3日製造。当紙の調べでは、ライアンエア(RYR/FR)が1クラス189席仕様でリース導入後、チェジュ航空が2017年2月3日にリース会社から受領し、同じ座席数で運航していた。過去3年間で、整備に起因するフェリーフライト(回航)はなかったという。また、2022年に関西空港でエンジン故障に伴う整備が発生していた。 パイロットは2人とも男性。機長は1979年生まれで、機長歴は5年、総飛行時間約6800時間のうち、機長としての飛行時間は約2500時間。副操縦士は1989年生まれで、副操縦士歴が1年10カ月、総飛行時間は約1650時間だという。 現地で事故を撮影した映像によると、事故機は着陸時にランディングギア(主脚)とノーズギア(前脚)が出ておらず胴体着陸しており、外壁に衝突して炎上した。事故の詳しい原因は調査中。
Tadayuki YOSHIKAWA