岸田首相、最後までタイミングが残念だった…退陣表明の翌日に出た「4~6月期GDP統計」の好結果【解説:エコノミスト宅森昭吉氏】
4~6月期に5四半期ぶりに前期比プラスに転じた実質個人消費。一方、8四半期ぶりに前期比マイナスに転じた実質インバウンド消費
4~6月期のGDP統計で気になったことを、最後に挙げてみます。 実質個人消費は、一部自動車メーカーの認証不正問題に伴う出荷停止の影響から新車販売が持ち直したこともあり、前期比+1.0%と、5四半期ぶりのプラスとなりました 一方、外国人の国内での消費であるインバウンド消費は「非居住者家計の国内での直接購入」で見ますが実質・前期比▲4.2%と8四半期ぶりにマイナスになりました。 6月の景気ウォッチャー調査に関するレポートで「『インバウンドor外国人』関連現状判断DIは57.0で、引き続き景況感の牽引役にはなっていますが、かつての60台以上が継続していた時と比べると鈍化していて、インバウンドの経済効果で高い水準をつけることが多い業種である『旅行交通関連』の現状判断DIは3月60.9から6月49.5へ3ヵ月連続低下しました。」と書きましたが、GDP統計でも4~6月期のインバウンド消費は、ちょっともたついたようです。 但し、7月の「外国人orインバウンド」関連現状判断DIは60.4と3ヵ月ぶり60台に回復しました。同・先行き判断は4月は59.7で僅かですが60割れとなり、5月55.6、6月54.3まで鈍化しましたが、7月は56.7と若干戻りました。まだ、7月の動向しかわかりませんが、7~9月期になると非居住者家計の国内での直接購入は前期比プラスに戻る可能性があると思われます。 ※本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。 宅森 昭吉(景気探検家・エコノミスト) 三井銀行で東京支店勤務後エコノミスト業務。さくら証券発足時にチーフエコノミスト。さくら投信投資顧問、三井住友アセットマネジメント、三井住友DSアセットマネジメントでもチーフエコノミスト。23年4月からフリー。景気探検家として活動。現在、ESPフォーキャスト調査委員会委員等。
宅森 昭吉
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