SUPER GT第2戦プレビュー 激変のシーズン、第2戦は初の時間制レースに
今シーズンは、Q1、Q2そして決勝スタートまで同じタイヤを装着するため、レースウィーク中にニュータイヤの走行チェックを行なう機会は少なくなっていると考えられるが、6セット使用可能な富士では、各タイヤメーカーは持ち込むタイヤの種類……いわゆる「ソフト・ミディアム・ハード」の選択にも変化を持たせることも予想される。タイヤメーカーとチームが、どういう戦略に基づいてどんな組み合わせでタイヤを準備するのか。チームごとの“細かな違い”にも注目してみたい。
ちなみに、岡山では、Q1のアタックを担当したドライバーがどこまでタイヤを使ってアタックすべきか、その見極めに苦心した様子。チームによっては、ユーズドタイヤでのタイムアタックに苦手意識を持たないドライバーが積極的にQ2を担当したようだが、Q1はQ1なりの、そしてQ2はQ2ならではのプレッシャーがあるはず。Q1とQ2では路面を含めたコンディションも異なるとはいえ、通常ユーズドタイヤのほうが“おいしい”部分も少ないだろうし、コントロールが難しいと思われるだけに、ドライバー同士が身近な“相方”に対して余計な意識を持ってしまうこともあるのではないか。予選タイムだけがすべてではないものの、シビアな状況に置かれることになったドライバーの気苦労を懸念しつつ、岡山での経験値を活かして自分なりの攻略法を生み出してくることに期待したい。
ピットタイミングはオーソドックス? それとも?
レース開催にあたり、GTアソシエイションが発表した大会規定が記されたブルテンには、GT500、300両クラスにおいて「給油義務を伴うピットインを2回行なうことが義務付けられる」とある。さらに、第3ドライバー登録も認められており、GT300クラスでは12チームが登録を行なっている。チームによっては富士で今シーズン初のレースに挑むドライバーも出てくることだろう。
一方、ピットインのタイミングはピットインの回数に合わせて基本的にオーソドックスな均等割になる可能性が高いのではないだろうか。今シーズンからの新たなタイヤ規制を考えても、最初のピットインでタイヤ交換を選択するはず。このタイミングで給油およびドライバー交代も行なう“フルサービス”を済ませ、2回目のピット作業ではドライバー交代せずに給油とタイヤ交換のみとする。あるいは、天候含め、状況次第でタイヤ無交換で第3スティントに賭けるチームも出てくるかもしれない。まだ他の方法も考えられるが、ライバルの動きを注視しつつステアリングを握るドライバー、そして自分たちに優位な戦局へと持ち込まなければならないエンジニアは、3時間のなかでさまざまなアプローチを見せてくれるはず。クルマの特性、タイヤパフォーマンスを熟慮した上で最適解を導くという“腕の見せどころ”だけに、サーキットで、またテレビの前で、それぞれのチームが採る戦略を想像しながら観戦するのも楽しいだろう。
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