競輪祭を制しKEIRINグランプリ2024の出場切符を手にした脇本雄太

小倉競輪の「第66回競輪祭」（GⅠ）は最終日の24日、12Rで決勝が行われ、寺崎浩平に任せた脇本雄太（35）＝福井・94期＝が1角番手まくりで大会初Vを飾り、優勝賞金4790万円（副賞含む）と年末の「KEIRINグランプリ2024」（12月30日、静岡）の出場切符を手にした。GⅠ優勝は2022年オールスター以来、8度目。2着に犬伏湧也、3着に松浦悠士が入った。この結果により「KEIRINグランプリ2024」の出場メンバーが決まった。 ◇ もう鬼門の大会とは言わせない。脇本がラインの絆と自らの脚で、2022年8月のオールスター以来となる8度目のGⅠ制覇を成し遂げた。 「ほっとしています。後ろに犬伏君か松浦君がいると思ったし長い距離できつかったので。競輪祭は特に取りたいタイトルだったし、素直にうれしいです」 前を任せた同県の後輩・寺崎が残り2周で先頭に立ち、最終1角から番手まくりを放ったあとも油断できない状況が続いた。だが、真っ先にゴールを駆け抜け、1965年の加藤晶（京都・5期＝引退）以来、近畿の選手として59年ぶりに競輪王の栄冠を手にすると、応援してくれたファンに何度も頭を下げて喜びをかみ締めた。 今年は持病の腰痛に悩まされ、苦しい一年だった。それでも同地区の仲間に助けられ、獲得賞金ランク8位で今年最後のGⅠを迎えていた。着実に賞金を積み重ね、準決勝終了時点で決勝を完走すれば3年連続6回目のGP出場が決まっていたが、「気持ちに応えたい」という強い思いで大会初Vを飾ってみせた。 「まだ発展途上だと思うし、油断せずにグランプリに向けて1カ月間、しっかり練習したいと思います」 この優勝で全冠制覇のグランドスラムまで残すは全日本選抜のみとなったが、まずは年末の大一番に向けて勢いを加速させる。（仲野谷有紀） ◇ ■脇本雄太（わきもと・ゆうた）　1989（平成元）年3月21日生まれ、35歳。福井県福井市出身。県立科学技術高卒業後、94回生として2008年7月に福井でデビュー。競輪祭は初制覇で、GⅠは19、22年の日本選手権、18、22年のオールスター、18、20年の寬仁親王牌、20年の高松宮記念杯を含め8V。22年のグランプリも制覇している。自転車競技では五輪に2度出場。通算成績は967戦408勝、2着148回、3着63回。通算取得賞金は12億7824万3348円。180センチ、72キロ。血液型A。 ◇

競輪祭の結果、「KEIRINグランプリ2024」出場者が郡司浩平、平原康多、北井佑季、古性優作、脇本雄太、真杉匠、清水裕友、新山響平、岩本俊介の9人に決定した。