さらにランクルらしくなった? 新型「70シリーズ」を実車確認
トヨタ自動車のSUV「ランドクルーザー70」が日本市場に復活した。8年ぶりの販売再開だ。「70シリーズ」と言えば、40年前の1984年にデビューして以来、グローバル展開を続けてきたトヨタのロングセラーモデル。変わらないことが魅力のひとつである車種をどう変えていったのか、そんな観点で新型のデザインをチェックした。 【写真】初代へのオマージュ? 新型ランクル70の顔には懐かしさを感じる特徴が多数!
■「らしさ」を取り戻した顔つき ランドクルーザーの中でもヘビーデューティーな用途を担う「70シリーズ」は、「40シリーズ」の後継車として1984年にデビューし、今年で40周年を迎えた。日本向けは2004年に販売終了となっていたが、10年前に2年間の期間限定で再販したという経緯がある。ゆえに、今回の車両は「再々販」と呼ばれている。 「再々販」ランクル70のデザインは10年前の「再販」モデルと少し違う。むしろ40年前のデビュー直後の頃や、その前の「ランドクルーザー40」を思わせる部分もあって、昔からこのSUVを知る人たちにとっては、デザイン的に好印象なのではないだろうか。
今回の新型は、グローバルでは2023年8月に発表されていた。ボディサイズは全長4,890mm、全幅1,870mm、全高1,920mmとなっていて、再販モデルと比べると全長のみ80mm長い。
では、どこが長くなったのか。ひと目でわかるのはフロントまわりだ。ヘッドランプは角型から丸型になり、ウインカーはグリルから切り離されてフェンダー前端に移動した。デビュー当初の70シリーズを思わせる姿だ。
さらにグリルの上には、エンジンフードとの間に細いスリットが設けられた。こちらは70系の前任車である40シリーズを思わせる。
これらの変更は、パワーユニットの冷却性能向上と歩行者保護の観点から行われたそうだ。ヘッドランプはLEDで、デイタイムランニングランプを内蔵するなど時代に合わせたアップデートも実施しているが、安全基準などが厳しくなる中で70らしさをうまく取り戻していることに感心した。 前回の再販モデルは、顔つきについては70らしさが希薄だった。それを踏まえて、今回の再々販モデルはこのように仕立て直したのかもしれない。あるいは、乗用車的なSUVが多くなった反動でヘビーデューティーなモデルが注目されていることから、同時に発表となった「ランドクルーザー250」を含めて、「ランクルらしさ」を前面に押し出す考えになったのかもしれない。