65歳の脳科学者が嫁に対して“絶対にやらないこと”。不満を表明するときは
昨今は当たり前になりつつある「孫育て」。ただし、孫との距離が近くなるほどに、つい口出ししたくなることも増えるはず。 これに対して、現在自身も孫育て真っ最中の脳科学者の黒川伊保子さんは、新刊『孫のトリセツ』の中で、孫の脳の発達にプラスになる孫育てのポイントを紹介しています。 同著の中から、「卒乳」のタイミングの決め方や、祖父母がとるべき孫や子ども夫婦との接し方についてご紹介します。
「卒乳はいつ?」問題には、口出ししない
卒乳は、母と子の組み合わせほどの正解があると思う。 もちろん、母親がもう嫌だと思って、子どもを泣かせながら卒乳させる場合があってもいい。私と息子のように、長い蜜月を楽しむ母子がいてもいい。 私は、男女雇用機会均等法のない時代に就職した。育児休暇を取るのも、私が部署で初めてという事態だったので、産休8週に加えて、2か月の育児休暇を取っただけだった。それでも8週で出てきた先輩たちよりずっと「楽させてもらった」と感じたものだ。
卒乳のやり方は母と子の個性の組み合わせで決まる
この時代、多くの働くママたちは断乳して職場復帰してきた。愛しい我が子を泣かせ、張って苦しい乳房を管理しながら、最前線に戻ったのである。その子どもたちは、本当に立派に育っている。 卒乳が早いのか遅いのか、子どもを泣かせたのかうまくやったのか。そんなの、どうだっていい。母と子の個性の組み合わせによって、卒乳のやり方は決まる。母と子の卒乳に、祖父母たりとも(夫でさえ)、口を挟むことは許されないのである。 私たちにできることは、彼女の選択を、祝福して応援することしかない。
意外と知られていない「笑顔」の効果
不満顔をすると、相手のミラーニューロンがそれを受け止めて、向こうも気づかないうちに不満顔になる。実は、この表情、脳への入力になるのである。表情は通常、出力。嬉しいから、嬉しい表情になるわけ。 でもね、ミラーニューロンで表情を移し取ると、脳には、その表情をするときの脳神経信号が誘発されるのである。つまり、表情は出力だけど、入力にもなるってこと。 笑顔につられて笑顔になると、脳には嬉しいときの神経信号が誘発される。不満顔につられて口角が下がると、脳には、不快なときの信号が誘発されるのである。