阪神キャンプMVPは豊田ヒロシです… 最初は名前間違われたとです… 「危機感」持って取り組んだとです…
阪神の秋季キャンプが17日、打ち上げを迎え豊田寛外野手(27)が藤川球児監督(44)からキャンプMVPに選ばれた。10月の監督就任直後にあいさつをした際には名前も覚えられていなかった男が、3度の実戦でも打率・625と打ちまくり猛アピール。コーチ陣からも絶賛され、「ヒロシ」の名を高知・安芸にとどろかせた。 〝うった〟のはヒットとその名前。プロ4年目となる来季に向け、指揮官からMVPに選ばれた豊田の視界は明るく開けた。 「その(MVPに選ばれる)つもりでこのキャンプに入ってやっていた。そうやって言ってもらえて、うれしいです」 今キャンプ中の3度の紅白戦は、3戦連続安打で打率・625(8打数5安打)。猛アピールは好素材の発掘に注力していた藤川監督の目にも留まり、「危機感が結果に表れたという意味では豊田」と、MVP選出につながった。 27歳の輝きを高く評価したのは将だけでなく、指導を施した小谷野打撃チーフコーチが「シーズン後半から良かったらしいですけど、そこからもうひと段階、上がったんじゃないか」と成長を証言すれば、藤本総合コーチも「目についたのは豊田。何か一つ、殻が破れたかな」と絶賛。し烈必至な外野の定位置争いに向けて、爪痕を残したことは確かだ。 今季はプロ初安打もマークしたが、球宴明けの7月下旬以降は2軍暮らし。10月には指揮官に「一平!!」と小川に間違われ、「それぐらいの選手ということ」とお笑い芸人のヒロシのごとく、自虐交じりに〝無名〟を受け止めていた。それもいまでは「僕だけ覚えてもらっていないという危機感もあった。そこはなんとかクリアできたかな」。胸を張って〝ヒロシです!!〟といえるだけの汗は流した。 「2月1日になったときに『レベルアップしているな』と思ってもらえるようにやっていきたい」 穏やかな表情をキリリと引き締めた。勝負をかける来季は豊田寛、その名を球界にとどろかせるとです-。(須藤佳裕) ■ヒロシ
1972年1月23日生まれ、52歳。熊本・荒尾市出身のお笑い芸人。2000年代に「エンタの神様」や「笑いの金メダル」など多くのネタ番組に出演し、金髪にホストのようないで立ちでポケットに両手を突っ込み、「ヒロシです」のフレーズと九州弁での自虐を繰り返すネタで一世を風靡。俳優業など活動は多岐にわたり、2020年の「ユーキャン新語・流行語大賞」では「ソロキャンプ」でトップテン受賞。