2024年上半期 株価上昇率トップ10は?【WBSクロス】
株価上昇率ランキングで、岡三証券の小川佳紀さんが注目したのは10位の会計ソフトを開発するピー・シー・エー。4位の電線大手フジクラ。2位の不動産事業を手がけるミガロHD。業種はバラバラですが、ある共通点があります。 「課題解決というところが1つポイントかなと思う。人手不足・電力不足を解決する会社をマーケットは探す」(「岡三証券」投資戦略部の小川佳紀部長) 2位のミガロHDのグループ会社が管理する都内のマンション。この日、見学に訪れた人がモニターの前に立つと、エントランスが開きました。 ミガロHDは顔認証サービスのアプリも開発。アプリに顔を登録しておくと対応した様々な場所で本人確認に使える仕組みです。マンションならエントランスはもちろん、エレベーターも。玄関も顔パスです。 「買い物で両手がふさがっている時とかにすごい便利」(見学客) 顔認証にすることで、入退去時の鍵の交換にかかる管理や工事が不要に。人手不足の解消にも繋がるといいます。将来的には買い物の決済から電車やバスの利用まで顔一つで動かせる世の中にしたい考えです。 「スマートシティの中の完全なるインフラシステムになるというのが、一つのゴールというか中長期的な目標の一つ。間違いなく経済活動のスピードアップに貢献できるサービス」(「ミガロHD」の岩瀬晃二CFO)
株価を3.9倍に押し上げた背景は?
6位には、中堅証券のアイザワ証券G、5位には電子コミックのめちゃコミックを運営するインフォコムが入りました。 そして1位にはC&FロジHD、3位にはアルプス物流とどちらも物流会社がランクインしました。いずれもTOB(株式公開買い付け)などを通じて買収される予定の会社です。背景にあるのは、トラックドライバーが不足する、いわゆる2024年問題です。人手不足の解消などを狙って同業同士の買収の動きが活発になり、株価を大きく引き上げました。 一方で、下落率で1位となったのはSHIFT、2位はマネジメントソリューションズでシステムやソフトウェア関連の会社です。コロナ禍で盛り上がったデジタル化の特需が落ち着き、システムエンジニアなどの人件費の高騰が重荷になっていることが株価の下落に繋がりました。 では、今年後半の株式相場はどうなるのでしょうか? 岡三証券の小川さんが注目するのは日銀の追加利上げによる金利の上昇です。金利の上昇が収益力の改善に繋がる銀行や保険を株価の上昇が期待できる銘柄に挙げました。 また、利上げによる株価上昇は日本の株式市場全体に広がると指摘します。 「“利上げにかじを切れる”のは、日本経済の底堅さの裏返しだと思う。むしろ株高の要因だという発想の転換も必要かなと思う」(「岡三証券」の小川佳紀部長) ※ワールドビジネスサテライト