頭のいい人はやっている「年間220万円の生前贈与」
● 2024年からの変更ポイント! この場合、110万円までは申告義務もありませんので、税務署に申告書を提出する必要もありません。そして将来的に財産に足し戻されることもないのです。結果として、この方が亡くなった場合には、先に贈与した金額は1110万円ですが、相続財産に足し戻されるのは890万円ということになりますので、相続税が課税される財産額は9780万円になります。 ポイントは、2024年1月以降、相続時精算課税制度を使えば、たとえ亡くなる直前であったとしても、年間110万円までは無税で贈与でき、相続財産にも足し戻されないということです。つまり、相続時精算課税制度を使えば、確実に節税ができることを意味しています。 ちなみに、2023年以前から相続時精算課税を選択している場合は、2024年から行う贈与に自動的に110万の非課税枠が使えますので、特に新たに届け出を出す必要はありません。安心してください。 ● ここからが大事な話! 年間220万円を贈与するには? 相続時精算課税制度は年間110万円まで使えます。ここで大事なのは相続時精算課税制度の選択です。贈与者と受贈者のペアごとに選択可能です。例えば、お父さんと長女、長男がいる場合、お父さんから長女に対する贈与は精算課税制度を選択し、お父さんから長男に対する贈与は暦年課税制度を選択することがOKです。贈与者と受贈者のペアごとに選択可能です。裏を返すと、お父さんから長女に対しては精算課税制度を使って、お母さんから長女に対しては暦年課税制度を使うこともOKです。制度を上手に使い分けていくことも可能です。 「複数人からの精算課税贈与」について詳しく見ていきましょう。よくいただくのが「お父さんとお母さん2人から精算課税贈与を受ければ、110万×2で220万円まで非課税になりますか?」というご質問。お父さんから精算課税制度、お母さんから精算課税制度を使えば、精算課税制度には110万円の非課税枠があります。110万×2=220万無税で受け取れるのかなという考えがありますが、そうではありません。その理由と「年間220万円」の非課税贈与をするための方法を紹介します。