散歩中、突然倒れた愛犬 発作の”原因”を知り立ち上げた「イエロードッグプロジェクト」 代表の思いとは
『近づかず、そっと見守ってね』
残念ながらまだまだ団体の認知度は低く、イエロードッグと飼い主たちは、早朝や深夜のお散歩に追い込まれるケースがある。愛犬家でも知らない人がいるそうだ。 染川さんも散歩の際は『犬が苦手 近づかないでね』などと書かれたメッセージグッズを付けてお散歩し、愛犬家でない方たちにまずアピールしたという。まるこちゃんは人との接近は問題なかったため病気のことを話し「近所の愛犬家の方にお伝えいただけないか?」とお願いしたり、ご近所さんに相談し近隣の愛犬家の方たちに話してもらったりした。 イエロードッグについて染川さんは「犬に噛まれて犬が怖くなってしまったり、人から無理に触られて人が怖くなってしまったりと、イエロードックになってしまう理由はさまざま。トレーニングで症状や状態が改善する犬もいます。しかし、免疫が落ちている、病気など、感染の観点から一生イエロードックのままという子もいます。今、健康であっても、ある日突然お散歩が困難になることがあります」と染川さんは話す。 イエロードッグについて町で情報を広めるということは、老若男女問わずプロジェクトを伝える必要がある。染川さんは、高齢用、子ども用とわかりやすいチラシをデザインし、サクセスモデルを作るために強化地域を設けた。チラシ掲示とチラシ設置、SNSでの発信を行い、ドッグイベントの出店、メディア掲載、ラジオ出演でイエロードッグたちへの理解が深まるよう伝える活動も行っている。 「ネットをあまり使わない高齢の方は、チラシの掲示と設置でかなり知ってもらえることがわかりました。しかし、子どもたちにはまだまだ知られていません。今、中学生や高校生のボランティアたちが啓蒙活動を頑張ってくれています」
活動後の変化
現在は、埼玉県杉戸町を本部とし、大阪支部を拠点に西日本へ広める活動を行っている『みんなのイエロードッグプロジェクト』。立ち上げてから、変化はあったのだろうか。 「まず、自身の町を含む埼玉県の2つの地域を強化地域としチラシの掲示と設置を進めました。すると3ヶ月経った頃から、距離をとっていただけるようになり、半年後にはお散歩ができるようになりました。もうひとつの強化地域でも、その地域のイエロードッグの飼主さんより『犬を近づけないでもらえた!』と、感謝のお声を頂きました」 また、活動開始当初のイベント出店では、ほとんどの方がイエロードッグプロジェクトを知らなかったという。しかし、最近のイベントではプロジェクトを認知している人も増えてきたそうだ。 最近では、自治会やマンション、町ぐるみで「イエロードッグプロジェクトを広めたい」と染川さんのもとに嬉しい声も届いている。愛犬家同士、町の人たちと犬のトラブルで困っている人はたくさんいる。 イエロードッグプロジェクトは、トラブルを未然に防ぐことができ、町の人と愛犬家をハッピーで繋ぐことができるプロジェクトだ。 「皆さんの応援のお陰で、まるこの大好きなお散歩を叶えてあげることができました。私ひとりでは無理だったと思います。皆さんからもらった愛を力に変え、これからもお散歩に困る犬と人のために活動していきたい」と染川さんは話す。