ティー打撃をするDeNAの牧秀悟、日本シリーズでの先手必勝を誓った＝横浜スタジアム（撮影・今野顕）

日本シリーズは26日に横浜スタジアムで開幕し、セ・リーグ3位のDeNAは1998年以来26年ぶりの日本一を目指し、パ・リーグ王者のソフトバンクと対戦する。25日は同球場で前日練習が行われ、牧秀悟内野手（26）が初戦の必勝を期した。3位から勝ち上がったクライマックスシリーズ（CS）は、ファースト、ファイナルステージともに第1戦に勝利。強みとする強打と勢いで難敵に挑む。 ベイスターズナインが、横浜スタジアムに帰ってきた。グラウンドにズラリと並んだ球団職員に送り出され、牧ら選手は次々と練習へ。4年目で自身初となる日本シリーズに臨む主将の胸中では、高揚感と緊張感が交錯していた。 「楽しみも、不安な気持ちもある。ハマスタ開催のこの2試合、特に明日はすごく大事になる」 相手は強敵のソフトバンク。レギュラーシーズンでは71勝69敗3分で貯金2だったDeNAに対し、91勝49敗3分けの貯金42と圧倒的な強さを見せた。先発、救援ともに150キロ超の剛速球を投げ込む実力者がそろっており、牧は「真っすぐはどの球団と比べても強い」と投手力を警戒した。 DeNAにも強みはある。レギュラーシーズンでは、ともにリーグトップの打率・256、522得点を誇った。「セ・リーグを勝ち抜いてきた。自信を持ってやっていきたい」と牧。21日の巨人とのCSファイナルステージ第6戦では決勝打を放ち、チームを頂上決戦へと導いた。持ち前の強打、リーグ3位からCSを勝ち上がった勢いを力に変える。 好球必打で攻略の糸口を探る。フリー打撃で快音を響かせた牧は「真っすぐをファウルにしていたら、なかなか自分たちのペースに持ってこられないと思う。甘い球をしっかり打っていきたい」と口元を引き締め、「選手全員がすごくいい表情で明日に向けて準備できた」と手応えをにじませた。 牧が生まれたのは1998年。球団前身の横浜がリーグ制覇、日本一を成し遂げた年だった。「いろんな人が見ると思う。その中でハマスタで試合ができるのは、なかなかない機会。非常に楽しみ」。26年ぶりの歓喜へ。大声援の後押しを受け、まずは初戦を制す。（鈴木智紘）