立命大・高橋監督就任1年目「学生たちがしんどいものを乗り越えてくれた」/アメフト
アメリカンフットボール・全日本大学選手権決勝「第79回甲子園ボウル」(15日、甲子園球場)9年ぶり10度目の出場を果たした立命大(関西1位)が法大(関東1位)に競り勝ち、9年ぶり9度目の優勝を飾った。先制のTDを奪った立命大の主将RB山崎大央(だいち、4年)が甲子園ボウル最優秀選手、年間最優秀選手に贈られるチャック・ミルズ杯をダブル受賞した。敢闘選手には、法大QB谷口雄仁(4年)が選ばれた。 今年1月の就任直後は「2、3年はかかるかな」と思っていた頂点に1年で導いた。それでもOBの立命大・高橋健太郎監督(43)は自分を誇ることはなく、ひたすら学生、スタッフたちをたたえ続けた。 「私は1年目なので、私の力は全然ない。学生たちがしんどいものを乗り越えてくれたからつかめた勝利。あっぱれです」 学生時代は2002年、4年生で主将を務めた03年と甲子園ボウルとライスボウルを連覇した。大切にしていたのはコミュニケーションと楽しむこと。それは監督になっても変わらない。今季は第5節で関大に敗戦。「やり切った充実感、達成感を楽しもう」と訴え、もう1敗もできない状態からチームをよみがえらせた。 母校の監督を引き受けるにあたり、勤務先の関西電力を退社した。休職などの選択肢もある中、「成功しなくても3、4年で(会社に)帰れるというのは、自分だけ逃げ道を作っているみたいなので…」と退路を断って再建に乗り出し、結果を出した。 「きょう見て下さった方の記憶に残るチームになった。このチームは最高でした」。ともに戦った学生たちに最大の賛辞を送り、就任1年目を締めくくった。(月僧正弥)