「太陽光で発電する看板」投入、常磐精工が不要パネル活用
常磐精工(堺市北区、喜井翔太郎社長)は、太陽光による発電機能を持った看板を12月にも投入する。不要になった太陽光パネルを活用。ペンで書き込める看板として活用するとともに、発電した電力と別途導入する蓄電池を使うことで、小型の冷蔵庫やヒーターなどを稼働できる。屋外イベントでの活用を見込む。イベント事業者やレンタル業に採用を提案する。価格は10万―15万円を想定。年間50台の販売を目指す。 昭和製線(大阪府富田林市)が扱う新古品の太陽光パネルを仕入れ、看板として製品化した。太陽光パネルに直接文字を書くコンセプトの商品は珍しい。設置時の寸法は幅680ミリ×奥行き490ミリ×高さ1380ミリメートル。重さは11・6キログラム。発電能力は90ワット。 常磐精工は店舗前の立て看板やポールサインなどの看板製品の製造・販売を手がける。大阪産業局からの紹介を通じ、昭和製線からアップサイクル(創造的再利用)した太陽光パネルの商品開発を持ちかけられた。 緊急時に担架に変形する看板を開発した経験があり、防災と看板のかけ合わせに着想を得て太陽光パネルを使った看板のアイデアを思いついた。太陽光パネルの選定や市場調査を実施し、開発にこぎ着けた。 国内では2012年に始まった再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)で多くの太陽光パネルが導入された。だが太陽光パネルの寿命は25―30年間とされ、40年ごろに多くの太陽光パネルが廃棄されるとみられる。 今後は新古品ではなく屋外に設置され老朽化した太陽光パネルのアップサイクル商品の開発を目指す。