「仕事を辞めて専業彼女になりたい」 男女平等の先進国スウェーデンでなぜ「ソフトガール」現象が起きているのか?
スウェーデンにも構造的な男女の不平等はある
経済学者のショカ・オーマンは、仕事を辞めるリスク、たとえば、貯蓄や年金の減少、復職後の給与水準の低下などを警告するとともに、このトレンドがスウェーデン経済に大きな影響を与えることはないかもしれないが、キャリアと家庭生活の両立における女性の課題や負担を浮き彫りしていると指摘している。 実際、「ソフトガール」には、#GirlBoss(ガールボス:女性起業家や職場での女性管理職を指す)文化や生産性を過剰に追い求めるハッスル文化、そしてそれらに伴う燃え尽き症候群に対する反発として登場した背景がある。 スウェーデンのジェンダー平等庁の責任者は、このトレンドを働く親を支援するための政策があるにもかかわらず、女性が感じている「負担」の結果であり、女性の仕事と家庭の両立における不均衡に対する合理的な反応として捉えている。 ジェンダー平等で高く評価されているスウェーデンだが、構造的不平等は依然として残るとBBCは報じている。 同メディアによれば、共働き世帯でも、女性は依然として家庭内労働を多く担っている。女性は育児休暇を取る割合が男性よりも多く、ストレスによる病欠の可能性も高い。また、男性と女性の賃金格差は、2019年以降、10%で停滞している。 このソフトガールをめぐる議論は、女性のワークライフバランス、メンタルヘルス、社会的期待といった継続的な課題を明らかにしているようだ。
COURRiER Japon