【RIZIN】医療部長がドーピング検査について説明、検査結果の隠ぺい・捏造の可能性を否定、血液検査については「検体の9割は尿検査」、毛髪検査は「WADAの検査項目にも入っていない」
2024年9月5日(木)18時より、RIZINが『超RIZIN.3』(7.28 さいたまスーパーアリーナ)のドラッグテスト(尿検査)結果の発表会見を行い、メインイベントのフェザー級「RIZIN LMS(Last Man Standing)王座決定戦」に臨んだ平本蓮(剛毅會)と朝倉未来(ジャパントップチーム)は陰性だった。 【写真】榊原CEOにRIZIN医療部の3名のドクターが会見に出席した 会見には、榊原信行CEOとドクター3名(RIZIN医療部長・諌山和男氏、RIZIN医療部副部長・金成道氏、同じくRIZIN医療部副部長の川口慶氏)が出席。 諌山部長はRIZIN競技運営機構には競技部(レフェリー・ジャッジ)、医療部(ドクター)、控室監視巡回部、そして選手の採尿を実施し検査機関に検体を送付する業務ドーピング部があることを説明し、「ドーピング部のドクターの判断で当日の選手をランダムに抽出して任意の選手の尿を採取して検査を行っております」と説明した。 主催者がその検査結果を隠ぺい・捏造するのでは、との声があることには「我々医療部のドクターは選手の健康・生命を第一に考えます。主催者側とは独立した部門であります。もし主催者側が捏造するようなことがあれば、結果を最初に知る私たちは医療倫理・アンチドーピングポリシー、公平性、スポーツマンシップに則って告発することになります。 加えてWADAの検査機関のひとつであるSMRTLが2度と検査を引き受けてくれなくなることや、この期間から告発されることもあるでしょう。SNSでの心無い投稿を見て、我々ドクター陣も心を痛めております。2015年、RIZIN創設以来、医療部はレフェリー・ジャッジ競技部の方々と共に競技に関しては中立を貫く独立した立場で選手を支えていることを最後にお伝えしておきます」とした。 また、榊原CEOから血液検査について補足を求められると、「現在WADAでの検査を実施している検体の9割は尿検査です。2022年データで言えば約23万件の検体に対して陽性だった検体は381検体、23万1313件中381検体、陽性率は0.16%という結果が出ています。対してまして血液を行った件数が22708件ありました。陽性だった検体数は13件、これは0.0005%と尿検査より低率でした。 このことにより採尿による尿検査で十分に陽性者を判断できています。これがWADAの考え方です。ただ、現在WADAの検体数の推移を見ると徐々に血液検体も増えているのが現状です。一方、RIZINの当日検査という現状から見た時に、これから試合をするあるいは試合をした選手に採尿だけでも選手にとってはかなりストレスであると考えます。尿が出にくい選手にはたくさん水を飲んでもらうなどがあるため、試合前後共にお互いにストレス事象です。まして採血は血を抜かなければならない。格闘技の試合の前にこれをやることのリスクは非常に高く、採血による腕の神経根損傷、または痛みによって迷走神経反射などを考えますと非常に不適切です。 我々が調べた限り、現在MMA団体で試合当日に採血をしている団体はありません。また、新たな検体採取方法が東京オリンピックや北京オリンピックで試験導入されていましたが、まだその精度などについては検証不十分でありまして一般的な方法には至っておりません。パリオリンピックについてはまだ情報が入っておりません。もちろん今後血液検査がより精密になり、かつ選手への負担が軽減されるようなことがあればその導入も検討が必要なことになると考えております。 これは補足ですが、血液と毛髪検査をするべきとの声もありますが、毛髪検査は覚せい剤検知とかで全くWADAの検査項目にも入っておりません」と説明した。
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