受粉の見返りは産卵場所と幼虫のエサ テンナンショウとキノコバエの共生関係 神戸大
ナンゴクウラシマソウの中にはイシタニエナガキノコバエの死骸がないのに卵だけ見つかるものがあり、一部のハエが産卵後に花序の上部から逃げ出している可能性も示された。
末次教授は「ナンゴクウラシマソウの祖先は花粉を運ぶ虫をだまして捕らえ、殺してしまうため、虫と敵対的な関係にあったとみられる。しかし、今は花粉を運んだ虫の一部をそのまま殺してしまうものの、一部には逃げられている。両者は、授粉できるほど虫に花で動き回ってもらえたら虫を逃がし、虫は花粉を運ぶ代わりに産卵場所を提供してもらうという相利共生、いわゆる助け合いのような関係に移行している段階かもしれない」と話している。
研究内容は、昭和大学や森林総合研究所などのグループで行い、植物に関する国際誌「プランツ ピープル プラネット」電子版に2月20日掲載された。