メジャーリーグで“怪物キューバ人”の争奪戦が勃発
まず7月26日に、フロリダ州マイアミ大学のマーク・ライト球場で公開練習。ここには、メジャー30球団中28球団のスカウト、総勢約100人が詰めかけた。カスティーヨは2時間45分に及ぶ練習の中で、60ヤード走(約55メートル)で6秒4をマーク。打撃練習では、自慢のバットスピードだけでなく、柵越えを連発させて、パワーがあることも披露し、守備練習では定位置のセンター、ライトの他に遊撃の位置でもゴロをさばいた。国内リーグデビュー時にはショート、セカンドを守っていたユーティリティプレーヤーだ。続いて、8月1日にレッドソックス、8日にヤンキースなど計4球団が、プライベートワークアウトを催し、更なる調査を進めた。 確実な結果を期待できる即戦力のフリーエージェント選手としてキューバ人の評価は急騰している。2014年のオールスター戦には、170キロを狙う最速ストッパーのアロリディス・チャップマン(レッズ)、セスペデス(アスレチックス)、プイグ(ドジャース)、アブレイユ,アレクセイ・ラミレス(ホワイトソックス)と5人のキューバ人が出場した。メジャーのGMの間では「投手は日本人、野手はキューバ人」が共通認識。ただキューバと米国は国交がなく、日本とは違い、非合法で危険を伴う亡命に成功した選手でなければ獲得できない。そのためカスティーヨのような“目玉選手”が出てくると、水面下で激しい争奪戦が起こる。 ニューヨークポスト紙のキング記者は、「今週の金曜日の22日が入札の締め切り日で、週明けにも移籍先が決まりそうだ」と報じ、CBSスポーツネットのヘイマン記者は、カスティーヨ外野手の推定年俸を3500万ドル(約35億円)から5500万ドル(約55億円)と伝えた。ヘイマン記者は「レッドソックス、ヤンキースに加えて、タイガース、フィリーズ、カブス、マリナーズの計6球団が争奪戦の中でも特に熱心だ」と具体的なチーム名を挙げた。いずれも資金力のあるチームが争奪戦に名乗りを挙げている格好だが、ここにきてFOX Sports のケン・ローゼンザル記者が、「カブスとヤンキースとフィリーズは、それほど高い入札ではないようだ。タイガースとレッドソックス、ジャイアンツが、まだ(争奪戦に)いる」とツイッターに書き込んだのをきっかけに、米メディアの多くが「争奪戦は6球団から、半分の3球団に絞られた」と続報を伝えている。