メジャーリーグで“怪物キューバ人”の争奪戦が勃発
メジャーリーグでベールに包まれた亡命キューバ人の激しい争奪戦が注目となっている。時の人となったキューバ人は、ルスネイ・カスティーヨ外野手(27)だ。カスティーヨは、2008-2009年にキューバの国内リーグでデビューして以来、4シーズン連続で4割以上を打ち、盗塁王も獲得。資料によってキューバの公式成績はバラバラで不確実だが、2011-2012年シーズンには、113試合に出場して、打率.342、21本、27盗塁、84打点の成績を残している。 やや左足を引いたオープンスタンスからの広角打法。テイクバックが小さくストレートだけでなく変化球にも対応ができる。一発の魅力に加えて、盗塁の数字が示すように走力もあって国内リーグでは、しばしばセーフティバントも試みていた。1メートル75、93キロのずんぐりとした体型。サイズは違うが、ドジャースでブレイク中で、いち早く今秋の日米野球への出場が発表されたヤシエル・プイグを彷彿させ「年間20本塁打、30盗塁」は、確実に計算できると言われている。ESPNは、カスティーヨを「モンスター・ルーキー」と紹介した。 ワールドカップやハーレム大会などのキューバ代表には選ばれていたが、五輪やWBCなどの主要な国際大会には一度も出場していない。そのためホワイトソックスのホセ・アブレイユや、巨人のフレデリク・セペダ、横浜DeNAのユリエスキ・グリエルのように国際舞台で知られた名前ではなかった。実は、何度か国外逃亡を試みた過去があって、その懲罰の意味で、WBC代表から外されたという話もある。詳しいことは明らかになっていないが、2013年の末頃に密輸船で亡命。一時、プエルトリコに隠れていたという情報もある。代理人は、歌手ビヨンセの夫で、昨オフ、ヤンキースのロビンソン・カノのマリナーズへの10年総額2億4000万ドル(約240億円)のメガ契約移籍を実現したジェイZ。その敏腕代理人が先月下旬から米国市場で大々的にプロモーション活動をスタート、ベールに包まれていたキューバ人の争奪戦がヒートアップした。