あと10勝の永久シードへ 名手・鈴木愛の口から「課題はパット」
国内女子ツアー屈指のパットの名手である鈴木愛は、今季を振り返って少し驚くような言葉を口にする。「いま、自分の中ではっきりと言える課題はパッティング。数字が悪くなったわけじゃないけど、ランキングが下がっている。ランキングが下がる、イコール、周りの数字も上がっている中でついていけてなかった」とスタッツを分析する目はシビアだ。 【画像】爆笑する脇元華と金澤志奈 今季、パーオンホールの平均パット数「1.7645」は部門別9位だった。2016、18、19年シーズンと3度ナンバーワンだった項目でトップ5を外すのは、ツアー本格参戦をスタートした2014年以来10年ぶり。同年は部門別6位だったため、ランキングは今季が“ワースト”になる。 昨オフのスイングづくりが開幕2戦目からの2週連続優勝につながったと実感する一方、30歳の誕生日を迎えた5月以降は上位に絡めない試合が増えた。「1日良くても2日、3日と続かない。ショットはいい距離についてるけど、決めきれない」。もどかしかったグリーン上だが、フィーリングは必ずしも悪くなかったという。年齢を重ねてきた中で疲労の抜け具合、アドレスの再現性にも変化が出てきたことも確かに感じており、オフの取り組みで対処法を模索する。
大目標は、あと10勝となった通算30勝。3日に都内で開催された契約メーカーのイベント「CLUB PING presents ファン感謝DAY 2024」でも、ファンに向けたトークイベントで「5月に誕生日を迎えて、30代に入ってから優勝できなかったのが悔しい。あと10勝で永久シードが獲れるので、そこに向けてホントは数を重ねて終わりたかった」と大台への意識をにじませた。 偉大な数字に近づくためにも、平均パット数を目安にして2019年以来3度目の年間女王を目指す。「シーズン途中だと、一番良かった時で『1.72』台だと思う。その『1.72』台でシーズンを終えてみたい理想はあるんですけど…。年間女王だったり、複数回優勝には今の数字(1.7645)では厳しいと思う。最低限『1.74』か『1.75』で終わらないと。ほんの少しでありますけど、詰めていけたら」とポイントに挙げた。(編集部・亀山泰宏) <鈴木愛のシーズン平均パット数> シーズン/平均パット数(部門別ランク) 2014/1.7723(6) 2015/1.7738(3) 2016/1.7445(1) 2017/1.7582(2) 2018/1.7414(1) 2019/1.7561(1) 2020-21/1.7725(4) 2022/1.7498(2) 2023/1.7374(2) 2024/1.7645(9) ※パーオンホール