ゲーム内の「村人のセリフ」をChatGPTで大量生成する方法(第2回)。データを大量に出力する
改善しうる点
品質には改善点が色々ありますが、同じ設定で大量の村人の大量のセリフという要件は、どうしても個々の質を下げます。またLLMに限らず現状の生成AI全般が、その出力に8割以上の品質を求めるのが難しいという根本的な課題があります。主人公が重要なシーンで吐く珠玉の一言なら、今はまだ確実に、書き起こした方が早いでしょう。 それでも大量に一定の要件に収まる言語表現を短時間で用意できることの価値は大きく、また今回の例でも改善点はいろいろ考えられます。
関係の明示
たとえば不足していた主人公との関係。設定には主人公がどのように村や住民と関わるのか、情報がありませんでした。そのためセリフ中、住民が示す態度の一貫性がなく不自然です。 たとえば「主人公は姫の手がかりを求め村にやってきた。村でよそ者は警戒されるが、主人公の身なりや目的、経歴から、毛嫌いはされない」といった条件を加えれば改善するかもしれません。セリフの状況に幅を持たせ、教師のミランで試してみましょう。 ----- 初対面時の警戒心を持ちつつも、興味を示すミラン 「あなたがここに来た理由を聞かせてもらえますか?姫を救い、魔王を討つだと…。それは大それた話ですね。私たちの村に何ができるというのですか?」 主人公の経歴を聞いた後、少し尊敬の念を抱き始めるミラン 「なるほど、あなたの背景を聞いて少し納得がいきました。ただ、理想だけでは生き残れません。あなたの計画には具体性が必要です。」 主人公が村の子供たちに基本的な剣術を教えているのを見たミラン 「あなたの技術は見事ですね。しかし、子どもたちに剣術だけでなく、それをいつ使うべきかを教えてください。力は、正しく使うことが肝心です。」 主人公が村のために何か手伝いを申し出たときのミラン 「あなたの申し出に感謝します。私たちの村も助けが必要な時がありますからね。あなたの力が、私たちの共同体にとって何をもたらすか見てみましょう。」 主人公が村での日々を通じて信頼を築いていく中でのミラン 「あなたが村のために尽くしてくれたこと、私たちは忘れません。姫を救う旅、本当に成功させたいのなら、私たちも協力しましょう。」 主人公が過去の戦いの話をするときのミラン 「あなたの経験は、この荒廃した世界で生きる私たちにとって、大いなる教訓です。過去から学び、未来に生かす。それが私たちのすべきことです。」 主人公が一時的に挫折を感じているときのミラン 「挫折は、成長するための糧です。あなたの目的を見失わず、前に進み続けてください。姫のためにも、私たちの世界のためにも。」 主人公との深夜の談話中、人生観を共有するミラン 「私たちの生きる世界は厳しいものです。しかし、希望を持ち続けることが、私たちを前に進ませる力になります。あなたの旅が、その希望の光となることを願います。」 主人公が旅立つ前日、助言を与えるミラン 「明日は新たな旅の始まりですね。忘れないでください、どんなに遠い道のりでも、私たちの思いはあなたと共にあります。姫を安全に、そして確実に連れ戻してください。」 主人公が旅に出るとき、別れの言葉を述べるミラン 「あなたの旅路に祝福を。そして、どうか安全に。私たちの村、そしてこの世界に平和をもたらすために、あなたの勇気が報われることを願っています。」 ----- なかなか良さそうです。セリフにおいては話者間の関係を規定する表現が含まれないと、結果が不安定になりやすいのでしょう。関係情報はひな形に含めるべきです。