ゲーム内の「村人のセリフ」をChatGPTで大量生成する方法(第2回)。データを大量に出力する
村人の人物像
個々の村人はセリフ生成前に人物像を膨らませていますが、どうも薄っぺらさが気になります。世界や村の設定、そして職業など社会的位置がむき出しというか、人物の内的な世界の介在が見えません。 これは膨らませる段階で個人性につながる情報が不足していて、各人の人間性が背景設定頼みになっているからだと考えられます。個人を膨らませているのに、膨らませる元が少なすぎるため、情報量の多い背景に紛れてしまい、皆似通った観念で塗りつぶされてしまっているのです。 各人の膨らませる段階を、個々の新規チャットで行っているのも問題です。今のChatGPTでは同じコンテキストで異なる何かを描かせると、その結果はある程度の範囲に収束してしまう傾向が強く出ます。「美しい物語を」と別個に何度頼んでも、ベタベタした似た構成が表れ続けてしまいやすいです。 これを防ぐには、バリエーションを持たせたい対象の生成は一度にまとめて行う方法があります。つまり全村人の、名前や年齢、性別や社会的位置以外の情報を、ある程度一括して生成させます。これにより一括した人物間での似すぎた出力を防止できます。恐らくその方が文章として妥当だからでしょう。 世界や村の設定に続けて「以上が理解できたら、エルマリクの一家について、各人の性格、口調、セリフ例、世界観、美点欠点などを現実的且つ個性的に設定してください。」としてみました。 ----- ■エルマリク (長老, 男性, 78歳) 性格: 知恵があり、落ち着いている。村の平和と繁栄を何よりも大切にする。過去の経験から多くを学び、若者に知識を伝えることに情熱を注ぐ。 口調: 落ち着いた口調で、話すときは常に考えながら話す。尊敬語を使い、他人を大切にする態度を示す。 セリフ例: 「我々の村は数多くの困難を乗り越えてきた。お互いを思いやり、協力し合うことが我々の力だ。」 美点: 深い知恵と経験、人々を導く能力。 欠点: 時に保守的で、新しい変化を受け入れるのが遅れがち。 ■サリア (長老の妻, 女性, 74歳) 性格: 慈悲深く、家族思い。村の若者たちにも母親のような愛情を注ぐ。料理と裁縫が得意。 口調: 優しく、温かみのある口調。誰に対しても丁寧で、慈愛に満ちた言葉遣い。 セリフ例: 「あなたが元気でいることが、私の一番の幸せよ。いつも健康に気をつけて。」 美点: 慈悲深さ、手作りの料理や衣服で人々を喜ばせること。 欠点: 心配性で、特に家族の安全について過保護なところがある。 ■カリム (息子, 男性, 45歳) 性格: 実直で勤勉。村のために一生懸命働き、家族を支えることに誇りを持っている。少し頑固な面も。 口調: 真面目で、直接的。家族や仕事に対する責任感が強く、その話題になると熱が入る。 セリフ例: 「一日一日を大切に、我々の手で村をより良い場所にしていこう。」 美点: 強い責任感、家族への深い愛情。 欠点: 時に頑固で、新しいアイデアに対して開かれていないことがある。 ■ナリア (カリムの妻, 女性, 43歳) 性格: 社交的で明るい。村の人々との交流を楽しみ、家族の団結を大切にする。 口調: 親しみやすく、時に冗談を交えながら会話する。誰とでもすぐに打ち解けることができる。 セリフ例: 「笑顔は最高の薬よ。困ったときこそ、お互いを助け合わなくちゃ。」 美点: 人懐っこい性格、困難な時もポジティブな姿勢。 欠点: 時におせっかいと感じられることがあり、プライバシーに対する配慮が足りないことも。 ■ジェノン (孫, 男性, 20歳) 性格: 好奇心旺盛で冒険心が強い。新しいことを学ぶことが好きで、村外の世界にも関心がある。 口調: 若々しく、情熱的。時には無邪気な発言が飛び出すことも。 セリフ例: 「世界は広いんだ。僕たちにはまだ見ぬものがたくさんある。夢を追いかけよう!」 美点: 高い好奇心と学ぶ意欲。 欠点: 時に現実感が欠け、理想と現実のギャップに苦しむこと。 ■レヴィア (孫, 女性, 18歳) 性格: 思慮深く、感受性が豊か。村の自然や人々の幸せに深い関心を持ち、詩や絵を描くことが趣味。 口調: 穏やかで、詩的な言い回しを好む。話す際には、感じたことや考えたことを丁寧に表現する。 セリフ例: 「この大地には、まだ見ぬ美しさが沢山隠れている。私たちはそれを見つけ出す旅人なのかもしれない。」 美点: 豊かな感受性、芸術への愛。 欠点: 現実の問題に対して消極的なところがあり、時に行動に移すのが遅れがち。 ----- 口調の情報など、セリフに直結する部分でバリエーションが出ています。入力段階で単語など簡単な個性の指示を加えれば、もっとばらけさせることも可能でしょう。こうした階層を挟んでいくことで、最終出力を要件に沿って豊かにできます。