たかがキャンプ、されどキャンプだ。充実したキャンプを送ることができれば、シーズンも自信を持って戦うことができる【張本勲の喝!!】
自信と手応えをつかめ!
伊東での東映の春季キャンプの風景[1962年]
いよいよキャンプインで2023年のシーズンがスタートする。昔から言われているように、キャンプインの2月1日が日本のプロ野球にとっては“お正月”であり、この日ばかりは特別な日なのだ。私もとっくの昔に引退しているというのに、この日だけはピリッとするというか、気が引き締まる。 今年は久しぶりにそのキャンプ、宮崎に足を運ぼうと思っている。前日の1月31日に入ってキャンプインを迎えるつもりだ。ここ数年は新型コロナウイルス禍の影響もあって現地に行くことは自粛していたが、今年は行くことにした。やはり現地に行かないと分からないことが多い。監督やコーチ、関係者らと直に話ができるのは大きいし、何よりも自分の眼で選手やチームをチェックしておきたいからだ。 今でもたまに「キャンプは本当に必要ですか?」と聞かれることがある。チーム全員で暖かい地へと移動して1カ月ほどの練習、試合をこなす。そこまでしなくてもシーズンは迎えられるのではないかというわけだ。プロ野球に詳しくない者にすれば不思議なのだと思う。しかしそれはやはり詳しくない者の疑問だ。必要ないわけがない。 キャンプでやるべきことはたくさんある。個人練習は置かれた立場によっても違ってくるが、チーム練習はシーズンを想定して徹底してやるべきことの一つ。個人練習にしろ、チーム練習にしろ、キャンプ中にできないことはシーズンに入ってもできない。優勝したチームはだいたいキャンプがうまくいったことを要因に挙げている。キャンプでの出来がシーズンに直結するのだ。そこで得た自信と手応えが大事ということだ。たかがキャンプ、一番重要なのはシーズンだと思っている選手もいると思うが・・・
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週刊ベースボール