「KEYS-TO-GO」シリーズと携帯キーボードをこよなく愛するライターが綴る、最新モデル『KEYS-TO-GO 2』への本音
ノートパソコンを持ち歩くほどではないけれど、外出先でちょっとしたタイピングをしたい。もしものときのために物理的なキーボードを常に持ち歩きたい。そんな風に思ったことはないだろうか。 【画像】どこが変わった? 「KEYS-TO-GO」シリーズ3製品を並べて比較 ロジクールの『KEYS-TO-GO 2』はそんな要望を叶える製品だ。本製品は名前のとおり、同社のキーボード『KEYS-TO-GO』の後継機である。前機種『KEYS-TO-GO』は2014年から販売されているロングセラー商品。ことし6月に発売され、10年ぶりのアップデートがもたらされた『KEYS-TO-GO 2』はどんな製品になっているのか? 前機種との比較も交えつつ検証した。 ■ロジクールで「もっともポータブル」なワイヤレスキーボード 『KEYS-TO-GO 2』はロジクールで「最もポータブル」なワイヤレスキーボードであるといい、重量は220gほど。スマートフォンやタブレットとの相性は良好だ。 電力はボタン電池で供給するため、充電の必要はない。電池室には本体上部のネジを外してアクセスできる。 本体にはフラップがついており、フラップを開くとアイソレートキーボードが現れる。 こういった小型の携帯キーボードは各社が手掛けており、さまざまな製品が存在する。私は昔から携帯キーボードが好きでいろいろ買ってきたのだが、なかでも本製品の前機種、『KEYS-TO-GO』は名機だと思っている。これは2014年にiPad向けに発売された製品であり、200gを切る薄型軽量で防水、バッテリーの持ちもよく満充電で3ヶ月間電力を保持できるなど、非常に優れたキーボードだ。 前機種の弱点はズバリ、打鍵感の悪さ。ゴムっぽい樹脂に包まれた設計で防水を実現しているからか、打鍵感は重くイマイチだった。ちなみに前作は一度マイナーアップデートを行っており、表面のカバーの材質が変更されている。変更前のモデルは使っていると表面のゴムが伸びて浮き上がってきてしまうので、材質を変更したのは妥当な判断。ただしこの変更により打鍵感がさらに悪くなってしまった。 対して今回発表された『KEYS-TO-GO 2』は打鍵感が非常に良い。ノートパソコンの薄型キーボードに近い感触だ。電池も1日2時間の使用で最長36ヶ月持続するということなので、「充電がない!」という不安からも解放されそうだ。 ところで、こうした機器に惹かれるユーザーのみなさまにおいては、ポータビリティと性能のバランスを常に考えていることだろう。たとえば「M2搭載のiPad Air 11インチ(462g)」に「Magic Keyboard(596g)」を取り付けて持ち運ぶ場合、総重量は約1058g。対して「MacBook Airの13インチモデル」は約1200gと、その差は150g程度になる。 iPadとMac、どちらを持ち歩くのが自身にフィットするだろうか? 150gの差は結構大きいのではないか……? そんなことに考えを巡らせた経験があるはずだ。 私は日頃『iPad mini 6』を使っているのだが(タブレットもキーボードも、小型が好きなのだ)、『iPad mini』には純正キーボードである『Magic Keyboard』が存在しないため、『KEYS-TO-GO 2』を重宝するシーンは多そうである。iPad mini、本体カバー(Smart Folio)、KEYS-TO-GO 2を全て携帯しても総重量は700gを切る。これならば、Macを持ち歩くよりも明確に軽い。 もちろんiPhoneを使ったほうがより軽量になるし、「iPad miniでは画面が小さすぎる」という人もいるだろう。ポータビリティと快適さの最適解は人によりけり。そのなかで、『KEYS-TO-GO 2』が新しい選択肢の一つとなることには間違いない。ちなみに前機種『KEYS-TO-GO』も併売されているので、お悩みの方はそちらも購入を検討してみては(さらに悩ませてしまうかもしれないが)。 残念なのは、どうも国内では『KEYS-TO-GO 2』のUS配列のモデルが販売されていないことだ。前機種はUS配列のみのラインアップだったので、「新モデルからは日本語配列のみです!」というのは移行するユーザーにとっては結構大変。実際、これを理由に購入を見送っている人もいるんじゃないだろうか。……ロジクールさん、海外で売ってるUSモデル、日本でも売ってくれませんか? (文・写真=白石倖介)
白石倖介