【エプソムカップ】欧州勢席巻の香港で1番人気の支持も…実力馬レーベンスティールの復活走に期待
先週のGⅠ安田記念は香港のロマンチックウォリアーが勝利。豪州のGⅠコックスプレートに続く海外での優勝劇で、改めて世界トップクラスの実力の持ち主であることを証明した。 また、香港関連のニュースでは、今春のGⅠチャンピオンズマイルを最後に引退と言われていたゴールデンシックスティも現役を続行しそうとのこと。同馬はマイルでも2000メートル戦でもロマンチックウォリアーを破った実力馬。おそらく海外でも勝負になるだろう。 サラブレッド生産のない香港だが、この2頭を見るだけでも「選択と集中」で世界に通用する馬をつくれることを証明していると言える。もっとも、かの国の馬が世界レベルなのはあくまでも短距離からギリギリ中距離まで。2400メートル戦となると途端に分が悪くなる。実際、香港ヴァーズはGⅠ昇格後の24回で地元の香港馬は2回しか勝っていない。 2400メートル戦で強いのは欧州勢。凱旋門賞やブリーダーズCターフといったトップクラスのGⅠはもちろん、香港ヴァーズも、GⅠ昇格前の香港国際ヴァーズ時代までさかのぼっても計30回中21回を欧州勢が制している。よく言われる馬場の適性だけなら平坦のシャティン競馬場は日本馬に有利に思えるが、日本馬は4頭(5勝)しか勝っておらず、欧州勢が圧倒しているのだ。 昨年、その舞台に果敢に挑戦したのがレーベンスティール(牡4・田中博)だ。現地入り後スクミが出たとのことで最終追い切りは異例のレース前々日。その後は馬場入りを控えて本番を迎えた。ただでさえ欧州勢が強いこのカテゴリーで、体調を崩し調整が狂ったのはあまりにも痛かった。結果は仏国のジュンコが鮮やかに抜け出したのとは対照的に、馬群に沈み出走8頭の最下位となってしまった。 それ以来の出走となった前走のGⅢ新潟大賞典も良いところがなかったが、この馬の実力がこんなものではないことは、香港出走時にJRAプールだけでなく、現地でも1番人気に支持された事実でも明白。今週末のGⅢエプソムカップで復活の狼煙(のろし)を上げてくれると信じたい。(平松さとし)
東スポ競馬編集部