「手足口病」に「プール熱」まで…今年の夏は新型コロナだけじゃない “感染症ドミノ”に警戒を
新型コロナウイルスなどの感染状況は?
編集部: 今回実施されたヒアリングで、新型コロナウイルスの感染状況に対する注意喚起されましたが、現状について教えてください。 中路先生: 2024年7月15日~7月21日までの1週間に、全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナウイルスの患者数は、前週から1万2262人増加して6万7334人となりました。また、1医療機関あたりの平均の患者数は13.62人で、前週の1.22倍となりました。11週連続で前週より増加しており、注意が必要な状況です。 都道府県別に1定点あたりの患者数を分析すると、佐賀県が31.08人と最も多くなっています。次に多くなったのが宮崎県で29.72人、次いで鹿児島県で27.38人、熊本県で27.13人、大分県で24.02人などとなっており、45の都道府県で前週より増加しています。 また、ヒアリングで感染者の増加が指摘された手足口病は、2024年7月15日~2024年7月21日までの1週間で新たに3万6797人が感染しました。ただし、前週から5213人減っています。1医療機関あたりの報告数は11.72となり、12.3%の減少となります。
現在、流行している感染症の感染状況への受け止めは?
編集部: この夏、流行している感染症の感染状況への受け止めを教えてください。 中路先生: 医療現場からは、新型コロナウイルスの治療薬の自己負担額が3割負担でも1万5000円~3万円かかることから、処方件数が下がっているという報告があります。今後、感染のピークを迎えるにあたって、高齢者など高リスク群の自己負担額を下げるなどの国の支援策が求められると考えます。
編集部まとめ
複数の感染症が広がっている今夏、厚生労働省は有識者を集めたヒアリングをおこないました。今回実施されたヒアリングで指摘されたように、新型コロナウイルスだけではなく、手足口病やプール熱の感染者数も増えているので、感染動向には今後も注意が必要です。
監修医師:
中路 幸之助 先生(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター) 1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。