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　2024年が幕を開けた。昨年、高校球界でもさまざまな印象的な出来事があった。都道府県ごとにベストシーンを思い出してみよう。 【動画】健大高崎の機動力はかなり緻密だった！必見の走塁の極意に迫る 【選手権群馬県大会準決勝・桐生第一vs.健大高崎】 　わずか1度切りのチャンスのために、すべてを捧げた左腕がいた。群馬の桐生第一・中村 駿汰投手（3年）は、昨年夏の準決勝で、健大高崎を完封。たった1点のリードを守り切って「宿敵」を倒した。 　「秘密兵器」を駆使した。春季大会準々決勝で健大高崎に敗れていた中村は、リベンジのために緩いスローカーブを練習した。夏に借りを返すために、その後の練習試合でも、大会中でもスローカーブを封印し、健大高崎との対戦のためだけに、隠し持っていた。その緩い球が奏功する。そこまで3試合すべてコールド勝ちしてきた健大高崎の強力打線には有効だった。走者を許しても得点を与えない。徹底的に研究してくる相手を逆手に取った。 　相手の武器も封じた。機動力が得意な健大高崎に対して、8回にそれまでとパターンを変える右足をゆっくり上げる一塁へのけん制でアウトにするシーンも。それが「伏線」にもなったのか、9回2死一塁の場面でも、多彩なパターンのけん制をしながら、仕掛けてきた盗塁を二塁でアウトにした。バッテリー間の息の合ったプレーでゲームセット。健大高崎の「足」も封じたシャットアウト劇にふさわしい幕切れだった。 　健大高崎は新チーム結成以来、秋春と群馬県で無敗を続けていた。桐生第一の中村は、その「無敵艦隊」を7安打完封という最高の結果で沈めて見せたのだ。 　残念ながら決勝では完投するも、前橋商の前に9回サヨナラ負けに涙した。準決勝で投じた146球に、すべてを出し切った結果だったのかもしれない。