「正直、引退も考えたんです」「“勝てるわけない”と…」パリ五輪で日本勢“過去最高順位”なのに? ハードル女王・福部真子(29歳)が感じたリアル
レース後、口を衝いた「最高の12秒間」の意味
福部はレース後、テレビカメラの前で今の思いを尋ねられた。少しの間をあけて、言った。「最高の12秒間になったかなと思います」 考え抜いた末に、口をついたこの言葉。そこに、うそはなかったという。 「画面の向こうには、オリンピックを狙っていたけど、出られなかった人がたくさんいる。自分がスタート地点に立てることは、それ自体が本当に奇跡。1人で掴んだものではなく、私がパリのファイナルに向けてやると言って、力になってくれる人がどんどん増えてくれて、その人達も待ち望んでいた12秒間だった。目標は全然達成できなかったし、言いたいことを挙げ出したらきりがないけど、一言で言うならあれがベストアンサーだったと思います」 届かなかった絶望と、周囲への感謝と。28歳でつかんだ初の五輪は、複雑な思いを抱かせて幕を閉じた。 <次回へつづく>
(「オリンピックPRESS」加藤秀彬(朝日新聞) = 文)
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