オリーブハマチは秋が旬! 養殖発祥の海をクルージングで楽しむ【瀬戸内ジオ・ガストロノミー】
ハマチ養殖発祥の地でオリーブハマチに舌鼓
外海に面していないために波が穏やかな瀬戸内海は、沿岸各地で魚介類の養殖が盛んだ。播磨灘に面した引田の安戸池では、1928(昭和3)年に世界ではじめてハマチの養殖に成功した。「安戸池は、砂洲によって海域が囲われたラグーン。自然にできた海水の池なんですよ」と長谷川先生。 現在、この池での養殖は行われていないが「ソルトレイクひけた」として観光客に開放されている。 近年名をあげている、養殖ならではのオリーブハマチ。これはオリーブの葉を粉末にしたものを餌にまぜて一定期間与えて育てたハマチで、さっぱりした味わいが特徴だ。さらに、切り身にしたときに酸化による変色のスピードがゆるやかなので、プロの料理人からの注目度も高い。 オリーブハマチは毎年9月中旬から翌年1月ごろまでの期間限定で市場に出る。食事処ワーサン亭では、安戸池を眺めながら、このオリーブハマチをいただくことができる。 ソルトレイクひけた 養殖について学んだりハマチの餌やり体験ができる「マーレリッコ」、地元の特産品販売と食事処の「ワーサン亭」、池での魚釣りを楽しめる「フィッシュフック」の3つがある複合施設。ハマチの解体は要問い合わせ。 長谷川修一(はせがわしゅういち) 東京大学大学院で地質学を専攻。香川大学特任教授・名誉教授。NHK番組「ブラタモリ」に出演し、香川県の案内人をつとめる。2019年に讃岐ジオパーク構想推進準備委員会を立ち上げる。大地の成り立ちから地域を見つめ、防災や地域振興、人材育成など各方面で精力的に活動中。
請川典子