広島・田村俊介 悔しさ胸にがむしゃらの秋「流れを持ってこられる選手に」/来季こそ主力に
日の丸ユニホームを目の前に、悔しさがこみ上げてきた。 宮崎・日南秋季キャンプ中の11月5日、侍ジャパンとの練習試合(SOKKEN)に臨んだ田村俊介。3月の豪州代表との強化試合では、まだプロ通算8安打だった段階で侍メンバーに抜てきされた。 【選手データ】田村俊介 プロフィール・通算成績 「秋(プレミア12)も! と思っていたけど、なかなか結果が出なかった」 ブレークを期待された今季、日本代表入りどころか、一軍出場はわずか37試合。打率.198と2割にも満たず、プロ初本塁打もかなわなかった。 侍ジャパンとの練習試合で、意地は見せた。7回に清水達也に中前打を浴びせた。カーブをとらえた一打は、自身にとって価値のあるものだった。 「フェニックス・リーグまで変化球に手が出せていなかった。反応で手が出せた。結果も出て、納得できる打席もあった」 シーズン終了後も休むことなく、がむしゃらに来季に向けて汗を流す日々を送っている。 愛工大名電高時代は最速145キロ、高校通算32本塁打で二刀流として鳴らした。プロでは外野手登録も、この秋から一塁守備にも取り組んでいる。 「プロに入る前は一塁と投手をやっていた。自分としては外野より自信を持って守れている」と、守備でも選択肢を広げつつある。 今季はチーム打率.238、52本塁打は、ともにリーグワーストの成績だ。月間20敗を喫した9月の大失速は投手陣、特に先発陣の乱調が大きく響いたとはいえ、打線はシーズンを通して苦しみ続けた。 「全試合に出て、自分が打って流れを持ってこられる選手になりたい」 悔しさを胸に牙を研ぐ21歳が、チームの浮沈のカギを握る。 写真=桜井ひとし
週刊ベースボール