【ニューイヤー駅伝】1区に豪華メンバー集結 ! 3000m障害五輪入賞の三浦龍司とマラソン日本歴代3位の吉田祐也が激突
“出るべきところ”とは、おそらくラスト勝負の局面を指す。3000m障害だけでなく5000mなどでも、三浦のラスト1周(400m)の強さは世界レベルだ。以前の取材で「駅伝でもトラックで研いできたものを武器にしていきたい」と話していた。ニューイヤー駅伝1区も、残り400mを切ってからのスパート合戦になることが多い。三浦向きの区間である。 吉田祐也は、1か月前の福岡国際マラソン優勝者。2時間05分16秒の日本歴代3位で、25年9月開催の東京世界陸上参加標準記録(2時間06分30秒)を突破した。代表決定は25年3月以降だが、福岡の結果でその有力候補になった。 会見では三浦との対決について質問されていた。「三浦選手はトラックの素晴らしいスピードを持っていますが、自分はマラソンのスタミナで勝負をしていきたいと考えています。ラスト勝負では絶対に勝てませんので、(独走で区間2位に40秒差をつけた)東日本実業団駅伝のときのように、状況を見ながら早い段階でハイペースに持ち込むか、中盤から行くのか、(風の強弱など)天候も見ながら判断していきます」。ラスト勝負になる段階よりも前に、吉田がスパートするのは間違いない。そこで三浦や遠藤がついて行けるかどうか。1区の注目ポイントだろう。 ■ルーキー対決にも注目。吉居が三浦との対決に意欲 ■ 三浦、吉居大和、佐藤一世のルーキー3人は、全員が“1区の実績”を持つ。吉居は箱根駅伝1区(21.3km)の区間記録保持者。22年大会で素晴らしい独走をやってのけた。佐藤は八千代松陰高の後輩(鈴木琉胤)に更新されたが、5年間、全国高校駅伝1区(10km)の区間記録保持者だった。11月の関西実業団駅伝1区(12.6km)でも最初から先頭に立ち、9km付近で大塚製薬を振り切って区間賞を獲得した。 三浦は箱根駅伝でこそ区間上位がないが、箱根駅伝は全区間が20km以上の特殊な駅伝。大学1年時には全日本大学駅伝1区(9.5km)で、当時の区間新記録で区間賞を獲得している。 三浦と吉居は大学1年時の20年7月に、ホクレンDistance Challenge千歳大会で、ともに当時のU20日本記録を出した。三浦が3000m障害で8分19秒37(学生新、日本歴代2位)、吉居が5000mで13分28秒31。大学1年生の2選手が同日に新記録を出し、日本の長距離界に新たな人材が台頭していることを実感させられた。