【特集】あの日避難所では何が起きていた…課題と教訓 中越地震から20年「自分でできる事は自分で」≪新潟≫
「避難者の把握」が課題に
災害対策本部の調達部長として食料や毛布など物資の手配を担っていた大塚さん。 避難者の把握に三日三晩かかったと振り返ります。 ≪前小千谷市長 大塚昇一さん≫ 「物資とか食料を届けたくても、どこにおられるかわからない。大きな我々の課題でもあるし、多分避難された皆さんもどうしたら食料がもらえるとかどうしたら物資がもらえる、そう言った不安はずっと持っておられたのでは」
「自分の命は自分で守る」
行政の支援が届かない中で市民の命を守ることにつながったのが住民同士の助け合いです。 ある地区では声をかけあい、食料を持ち寄りました。 ≪当時の市民≫ 「きょうごはん前だったんですよ、皆さん。きょうありったけのインスタントラーメン持ち寄って皆さんがいま食べたんです」 ある地区では、住民が力を合わせて炊き出しを…… ≪当時の市民≫ 「ここは夏場のトマトハウスを利用して避難所にさせていただいています。2軒ほどプロパンガス持ってましたんで」 当時、市の防災計画で市内全域の被害は想定されておらず、食料の備蓄は2Lの水400本とアルファ米が1200食ほど……とても足りませんでした 中越地震は「自分の命は自分で守る」……その大切さを突き付けた災害でもありました。 ≪前小千谷市長 大塚昇一さん≫ 「当時使った市の指定避難所にはほとんど職員を配置できたのは何か所もありません。自治体の職員って減ってますので当時よりきっと小千谷市も減っていると思う。そういう意味ではみんなの力を合わせていくというのが大事だと思います」
教訓を未来へ
教訓を未来へ…… 10月20日に行われた県と南魚沼市の防災訓練。 市民が参加し段ボールベッドの組み立てが行われていました。 県によるとこうした住民参加型の避難所の設営訓練は増えつつあるといいます。 ≪南魚沼市民≫ 「意外とやってみて簡単にはできたんですけど、実際寝てみても寝心地が良かったです」 ≪南魚沼市民≫ 「(ベッドの組み立ては)はじめてですので。こういう訓練して置かないとやっぱりね。いい経験だと思います」 避難所の入り口で行われていたのは、マイナンバーカードやアプリを使った入所手続きの実証実験。 デジタル技術を取り入れることで避難者の把握をスムーズに行うことができるシステムで県は今後、自治体の意見を取り入れながら技術開発を進める方針です。