カネを使いまくったのは? 欧州、夏の移籍金総支出ランキング1~10位。最もバブリーだったクラブとは?
3位:マンチェスター・ユナイテッド(プレミアリーグ/イングランド)
総支出額:2億1450万ユーロ(約343億2000万円) 移籍金最高額:レニー・ヨロ(6200万ユーロ/約99億2000万円) 3位はマンチェスター・ユナイテッドだ。今夏の移籍市場では2億1450万ユーロ(約343億2000万円)を投じ、合計5人の選手を獲得した。 最も高額な支出となったのはDFレニー・ヨロの獲得である。現在18歳のヨロは前所属リール(フランス)の下部組織出身で、弱冠16歳でトップチームデビューを果たした逸材。昨季は主力としてリーグ戦32試合に出場した。成長著しいU-23フランス代表DFの獲得には6200万ユーロ(約99億2000万円)を要している。 ヨロにラブコールを送ったことからも分かる通り、クラブは守備面の補強に力を入れている。バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)からDFマタイス・デ・リフト、DFヌサイル・マズラウィを獲得し、最終ラインのテコ入れに成功。中盤にはパリ・サンジェルマン(フランス)から潰し屋にもなれるMFマヌエル・ウガルテを獲得した。昨季の課題だった不安定なディフェンスを改善するために、高額な資金を使って各国からワールドクラスの実力者を呼び寄せた格好だ。 また、攻撃陣には新たにオランダ代表FWジョシュア・ザークツィーが加わった。昨季躍進を遂げたボローニャ(イタリア)で公式戦37試合12ゴール7アシストを記録した男の活躍には大きな期待が集まっている。 攻守ともに充実した補強に成功したマンチェスター・ユナイテッドだが、いざ蓋を開けてみると、今季は開幕から3試合でわずか1勝しか挙げられていない。就任3年目を迎えたエリック・テン・ハフ監督のサッカーはいまだ理想像に達しておらず、すでに同監督の解任論が噴出している。新戦力と共に、チームはこの正念場を乗り越えることができるだろうか。
2位:ブライトン(プレミアリーグ/イングランド)
総支出額:2億3120万ユーロ(約369億9200万円) 移籍金最高額:ジョルジニオ・ラター(4670万ユーロ/約74億7200万ユーロ) 日本代表FW三笘薫が在籍するブライトンが2位に躍り出た。昨夏の移籍市場における総支出額ランキングではトップ20圏外だったが、今夏は一転してヨーロッパで最も多くの資金を使ったクラブの1つに数えられている。 注目すべきは、今夏の移籍市場の収支である。 「買い物上手」で知られるブライトンは、精度の高いスカウティングでどのクラブよりも早く若手有望株に目を付け、安く買って高く売ることで大きな利益を上げている。昨夏でいえば、MFモイセス・カイセド(現チェルシー)やMFアレックス・マック・アリスター(現リバプール)がその代表例だ。この移籍市場における収支は9285万ユーロ(約148億5600万円)プラスだった。 しかし、今夏は選手売却による収入よりも獲得による支出が大きく上回っており、移籍による収支は1億8291万ユーロ(約292億6560万円)のマイナスである。これは欧州のクラブの中で最も大きい純支出となった。将来の利益を見込んで、今夏のマーケットでは投資を重視したのかもしれない。 ファビアン・ヒュルツェラー新監督の理想とするサッカーに合わせ、クラブは9人の新戦力を獲得した。その全員が24歳以下の選手たちであり、各国から集めた選りすぐりの逸材である。中でも、獲得にクラブ史上最高額の4670万ユーロ(約74億7200万円)を投じたFWジョルジニオ・ラターには大きな注目が集まっている。世代別フランス代表に招集されてきたラターは、昨季チャンピオンシップのリーズでリーグ戦45試合に出場。6ゴール15アシストを記録している。 移籍市場でいつも以上に「攻めの姿勢」を見せたブライトンの目利きは当たるのか。来夏に分かるであろう、その答え合わせが楽しみだ。