マッコーリー、日本・インド投資拡大へ-楽天に続く案件獲得目指す
(ブルームバーグ): オーストラリアの投資銀行、マッコーリー・グループは、中国への投資意欲が後退する中、アジアでは日本やインドなどへの投資を増やすことを目指している。同行は世界最大級のインフラ投資家。
マッコーリーのアジア部門の最高経営責任者(CEO)、ベレナ・リム氏は大中華圏について、規制変更が必ずしも明確ではないことから、数値化するのが難しいリスクがあると指摘。このため、日本、韓国、インド、東南アジアなどの方が魅力的だと述べた。
ただ、マクロ経済・地政学リスクのため、中国に以前ほど重点を置いていないものの、状況はすぐに変化する可能性があると同氏は述べた。
リム氏はシンガポールからのインタビューで「アジアは非常にダイナミックだ」とし、「常に戦略を見直し、進化させていく必要がある」と述べた。同行は、新興国市場と先進国市場へのエクスポージャーのバランスを取ることを目指していると同氏は付け加えた。
中国が「投資可能」かを巡る議論はここ数年に活発化している。景気減速や貿易を巡る緊張、規制上の介入によって資産価格が圧迫されていることが背景にある。一方、日本ではインフレ復活やコーポレートガバナンス(企業統治)改善で相場が回復。インドは経済の急成長が魅力となっている。
マッコーリーは日本では、楽天グループと結んだような取引を増やすことに意欲的だと、アジア太平洋インフラファンドの投資責任者でもあるリム氏は述べた。
楽天グループは8月、通信子会社である楽天モバイルが、 マッコーリー・アセット・マネジメント率いる投資家コンソーシアムから1500億-3000億円規模の資金調達を実施すると発表。楽天モバイルが保有する通信設備などの一部を売却した後にリース契約を結ぶ「セール・アンド・リースバック」形態で資金を調達する。
事業の見直しを目指す日本の上場企業が増える中、こうした取引が参考になる可能性があると、リム氏は指摘。