【MotoGP】ホルヘ・マルティン、複数年契約で2025年からアプリリア移籍が決定。マルケスがドゥカティファクトリー昇格か?
6月3日、MotoGPに参戦するアプリリアは、ホルヘ・マルティンと2025年から複数年契約を締結したことを明らかにした。 MotoGP2024 第6戦カタルニアGPハイライト 2024年シーズン現在、プラマックからMotoGPに参戦しているマルティン。彼はドゥカティのファクトリーチーム昇格を目指していて、先日のイタリアGPの際にはドゥカティが昇格を決定したと報じられていた。 しかしドゥカティは、土壇場になってその判断を翻した。 その背景には、ファクトリーチームのシートを争っていたマルク・マルケス(現グレシーニ)が2025年にプラマックへ移籍することは「選択肢ではない」と、ドゥカティが描いていたであろう形を完全に拒否したことにあった。マルケスはドゥカティ陣営に留まるには、グレシーニでファクトリーマシンを走らせるか、ファクトリー昇格かのふたつにひとつだと主張し、彼らに圧力をかけていた。 マルケスは長年在籍したホンダを離れ、今年からドゥカティのマシンを走らせているが、既に好成績を記録。このままの状況では高いマーケティング上の価値を持つマルケスが流出してしまうという危険があり、ドゥカティはマルティンを昇格させることを正当化できなかったと考えられている。 そういったドゥカティの翻意から、マルティンは自ら陣営の離脱を選択。アプリリアへと移籍することに決めた。 3日夜に行なわれたアプリリアの発表では、彼らが複数年契約を結んだことを明らかにしていて、今シーズン限りでの引退を発表したアレイシ・エスパルガロの後任としてチームに加わることになる。 「止まることのない成長の道を歩んでいるホルヘは、アプリリア・レーシングが大きなハングリー精神をもって目指しているゴールへとたどり着くための礎となる人物だ」 アプリリア・レーシングのマッシモ・リボラCEOはそう語った。 「この機会を与えてくれたミケーレ・コラリーノ博士に感謝したい。我々は昨夜話し合いを行ない、無駄な時間を使うこと無くこの決定を下した」 アプリリアはもうひとりのライダーとしてはマーベリック・ビニャーレスの残留を望んでいると見られている。リボラCEOはそれが確定したという話も聞かれたが、ビニャーレスは確定していないと語っているため、もう1席は現時点では未確定となっている。 なお引退を決めたエスパルガロは、2025年以降にホンダでテストライダーに就任することを決めたと言われている。 一方でマルティンというトップライダーを失い、マルケスの加入の可能性も無くなったプラマックは、2025年以降にヤマハのサテライトチームとなる可能性がある。 またドゥカティファクトリーのシート喪失が確実となっていたエネア・バスティアニーニは、アプリリアへ移籍するのではないかと当初見られていた。しかしマルティンが移籍を決めたことで、彼はKTMやヤマハへと目を向けることになりそうだ。
Lewis Duncan