あなたももしや“思い込みショートスリーパー”? 日本の「睡眠偏差値」の現状とは?
睡眠薬の服用率は20代男性が高め
睡眠コンディションは、日々の生活習慣や睡眠環境の改善によって整えていくのが理想的ですが、症状によっては睡眠薬の力を借りることも必要な場合があります。 今回、睡眠薬の利用実態についても調査したところ、睡眠薬の服用率は全体で10.7%で、前年の調査結果より1%上昇。女性は50代~60歳以上の服用率が高く、全体では20代男性の服用率が最も高いという結果でした。また、睡眠薬服用者のうち、クリニックに通院している人は34.1%、残りの65.9%は市販薬などを自己判断で服用している可能性があることが判明。睡眠薬の自己判断での服用は、記憶・意識障害や、ふらつきなどの副作用を引き起こすことがあります。夜眠れない、寝つきが悪い、眠りが浅いなど、睡眠に悩みがある人は、まずは睡眠外来などのクリニックを受診して相談を。
質のいい睡眠は、いい生活習慣を始めることから
スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所所長で「ブレインスリープ」社の最高研究顧問を務める西野精治先生は、今回の調査結果について次のようにコメントしています。 「睡眠に対する意識が高まった人たちの睡眠偏差値は高い傾向にありましたが、その人たちの睡眠時間はむしろ短い傾向がありました。睡眠に対する意識の高い人は、自身の睡眠の質の向上に気を配っているのかもしれません。また、23.4%とかなりの人がショートスリーパーであると自認しているのは、願望もあるのかもしれません。若い男性の睡眠薬の使用率が高いのも気になります。薬はあくまで対症療法ですので、睡眠薬を使用する前に、睡眠にとって良い生活習慣を身につけることをおすすめします」 人生の3分の1にあたる睡眠の質を向上させることは、日々の生活の充実や健康維持にもつながるはず。これから蒸し暑い梅雨、そして熱暑の夏を迎えるこの時期に、いま一度、睡眠習慣を見直してみては? 構成・文/長岡絢子 Photo by OllyKava/ iStock / Getty Images Plus