佐藤健の超絶アクションだけじゃない! 実写版「はたらく細胞」が成功した理由と、意外にダークな注意点
2:永野芽郁と佐藤健などのキャストの納得度と、キレキレのアクション
キャスティングもまたこれ以上は望めないと思うほどに豪華かつハマり役だ。中でも「赤血球」役の永野芽郁はドジでもがんばり続ける姿を心から応援したくなるし、無表情でとっつきにくいようで実は面倒見がいい「白血球(好中球)」役の佐藤健との掛け合いはずっと見ていたくなる。 さらに、生身の人間が演じてこその大きな魅力となっているのがアクションだ。ワイヤーを駆使した壁走りや高速回転のキレや美しさ、ナイフを用いての「近接格闘」に近い俊敏な動きにはほれぼれしてしまう。佐藤自らが、映画「るろうに剣心」でタッグを組んだアクション監督の大内貴仁を呼んだというが、それが作品に見事なアクセントを加えている。 さらに、「マクロファージ」役の松本若菜が巨大な鉈を振り回す様が、直近では「キングダム 大将軍の帰還」の「王騎」役の大沢たかおを連想させる迫力とケレン味があった。そして「最強の敵」役として待ち構えるFukaseが映画「キャラクター」の連続殺人鬼役を発展させた狂気の演技を見せており、佐藤演じる「白血球」との対決や運命の対比も見どころとなっていた。 また、実写化において「血小板ちゃん」が“ちゃんと子ども”であるのも非常に大きい。幼稚園児に見える彼女たちがあつまって「うんしょうんしょ」と「凝固因子」を運んでいたり、「そろーりそろーり」と階段を降りたりと、楽しそうな姿がとってもほほえましい。みんなのまとめ役のマイカ・ピュはもはや天使である。 他にも「キラーT細胞」役の山本耕史と「NK細胞」役の仲里依紗が「筋肉コンビ」かつ犬猿の仲というのも面白い。「ヘルパーT」細胞役の染谷将太が冷静な指揮官に徹していたり、「新米赤血球&先輩赤血球」役の板垣李光人と加藤諒がちょっぴり「BL」チックなやりとりをしていたり、「肝細胞」役の深田恭子の女神のような優しさに癒されたりもできる。 それぞれの「なりきり」ぶりは、原作および俳優ファンにとっても納得だろう。