「スト6」「メタルギア ソリッド」コスプレイヤーたちのこだわり「特徴的な髪形や衣装の立体感を再現」<TGS2024>
漫画やアニメ、ゲームといったコンテンツと並び、今や日本が誇る文化として、海外でも広く親しまれているコスプレ。9月26日~29日にかけて千葉・幕張メッセで開催された、世界最大規模のゲーム見本市「東京ゲームショウ2024(TGS2024)」でも、出展タイトルを盛り上げる要素としてコスプレを導入。屋外にはコスプレ撮影エリアも設けられ、こちらも好評を博していた。 【写真】「ストリートファイター6」キャミィのコスプレを披露したMEROTAさん 4日間で27万4739人が来場。過去最多となる44の国・地域から985の企業・団体が出展するなど、2023年を上回る盛り上がりを見せた「TGS2024」。そんな同イベントの数ある見どころの中から、会場を彩ったコスプレイヤーにクローズアップ。新旧さまざまなゲーム作品のキャラクターに扮(ふん)したレイヤーたちに「コスプレに対するこだわり」などを話してもらった。 ■「TGS2024」を彩ったコスプレイヤーたちのこだわりとは? ■「ストリートファイター6」キャミィ/MEROTAさん イラストや設定画だけでなく、ゲーム内でのキャラクターの動きも研究して。それらを見つつ最大限に寄せて制作したのが、こちらの衣装になります。ポケットの部分がバイカラーで立体的になっているのが特徴で、そこが際立つようにデザインしました。キャミィの格好良さを少しでも再現できたら…という気持ちで、ポージングや表情の作り方を練習してきたので、そうした点にも注目してもらえるとうれしいです。 ■「ストリートファイター6」A.K.I./biscoさん 「スト6」で一番使っている大好きなキャラクターなので、衣装とウイッグはこだわりを持って制作しました。まずウイッグですが、A.K.I.はかなり特徴的な髪形をしているので、360度どこから見ても彼女だと分かってもらえるよう、シルエットの再現に注力しました。衣装は自作で用意したもので、質感や透け感を意識した生地選びだったり、フリルやドレープの見せ方を工夫したり…と、こちらも随所にこだわりが詰まっています。ゲーム画面のスクショと照らし合わせながら制作したので、かなりいい感じに仕上がったと思うんですけど、いかがでしょう? ■「パニシング:グレイレイヴン」ルシア・深紅ノ影/ゼルスさん 衣装制作に関しては、デザインを忠実に再現できるよう、ゲーム画面や設定資料とにらめっこしながら頑張りました。他にもこだわった点はいろいろあるのですが、一番苦労したのは体作りです。ちょうど昨年の「東京ゲームショウ」の時期に、こちらの“ルシア・深紅ノ影”がゲームに実装されて。「このキャラのコスプレをしたい!」と思い、準備を始めたのですが、いざ衣装ができて試着してみたところ、ルシアはスポーティーで格好良い印象なのに対し、自分が着た姿にはそれが感じられなかったんです。 実際に着てみて気付いたのですが、こちらの衣装は肌の露出が多いので、着る人の肉付き次第でかなり印象が変わってしまうんですね。これは体を鍛えて、もっと細身で健康的なスタイルにならないとダメだと思い、そこからダイエットを始めたのですが、当然昨年の「TGS」には間に合わず…。 その後はなかなか痩せない時期が続いたり、ダイエットと健康面の両立で悩んだりと、いろいろ苦しい状況が続いたのですが、なんとか6キロの減量に成功しまして。ようやく自分でも納得できる“着こなしが可能なスタイル”になれたので、今回こうして、お披露目することができた次第です。ちなみに、初出しはいろいろとトラブルが起きやすいので、事前に一度、一人でスタジオを借りてセルフ撮影を行って。そうして改良点を洗い出し、それらをできる限り改善したうえで、今回の「TGS」に臨みました。 ■「メタルギア ソリッド デルタ: スネークイーター」エヴァ/稜さん イベントへの参加が開催1週間前に急きょ決まったので、ぜんぜん準備が間に合わなくて。でも、せっかく参加するからには新作ゲームのコスプレをしたいと思い、「メタルギア ソリッド デルタ: スネークイーター」のエヴァをやらせていただきました。こちらは2004年に発売された「メタルギア ソリッド 3 スネークイーター」のリメーク版なんですけど、旧作のエヴァのコスプレはしたことがあったので、古い衣装を引っ張り出してきて、何とか間に合わせた次第です。とはいえ、9年前に制作した衣装なのでいろいろと作り込みが甘くて。全体的に修正したかったのですが、そうする時間もなく、今回はウイッグだけ新調して参加しました。メークは新作のトレーラーを参考にして、最新版のエヴァに寄せてみたんですけど、いかがでしょう? ■「MARVEL VS. CAPCOM 2 NEW AGE OF HEROES」ルビィハート/ネコさん こちらの衣装には、いたるところにこだわりが詰まっています。まずは、ルビィハートのイメージに合わせて生地を選び、型紙作りから始めて。肩周りのシルエットを忠実に再現しつつ、後ろで分かれる形になっているケープや、ハート形の帽子などもこだわって制作しました。ボタンに描かれている小さいアンカーも注目していただきたいポイントです。4年ぶりにコスプレ活動を再開した…ということもあり、どの部位の造形も気合いを入れて作成しました。 ■2024年後半も全国で大型コスプレイベントが続々開催 こうして大盛況のうちに終了した「TGS2024」以降も、コスプレが楽しめる大型イベントはまだまだ多数控えている。特に「東京コミコン2024」(12月6日~8日、幕張メッセ)、「コミックマーケット105」(12月29日・30日、東京ビッグサイト)など、毎回大きな盛り上がりを見せるイベントは見逃せない。 はたしてこれらのイベントでは、どのような漫画、アニメ、ゲームのコスプレに人気が集中するのか? 今のうちからトレンドを分析しておき、会場で答え合わせをするのも面白そうだ。 ◆取材・文=ソムタム田井