【惜別球人】DeNA・高田琢登「またNPB12球団に戻る」ためオイシックス新潟・武田勝氏に師事
2024年も残り3日。今年も10月下旬のドラフト会議で将来のプロ野球界を担う有望な若者たちが指名されて夢だったプロの門を叩いた一方、多くの選手がユニホームを脱いで新しい人生をスタートさせることになった。去りゆく選手を2回に分けて紹介する年末恒例の「惜別球人」。第1回はセ・リーグ編、DeNA・高田琢登投手。 静岡商時代に最速148キロを計測したDeNA・高田は、貴重な左腕としてプロの世界で飛躍する青写真を描き続けてきたが、直面した現実は甘くない。在籍4年間で1軍マウンドには一度も立てなかった。 23年には投球フォームを崩し、一時は直球の球速が130キロ台前半まで落ち込んだ。昨オフ就任した入来2軍チーフ投手コーチの指導もあって、今季はスピードを徐々に取り戻し、「本当に良くなってきた」と同コーチからの評価も上がってきたところで戦力外を告げられた。 再挑戦の場所は既に決まった。地元静岡を拠点とするくふうハヤテからも誘われた中、オイシックス新潟を選択。理由は「武田さんの指導も受けられる」からだ。同じ左腕で日本ハムで通算82勝の実績を持つ武田勝監督兼投手コーチに師事したい思いが強かった。 DeNAからは最高の「せんべつ」をもらった。今月22日まで球団の全額負担でオーストラリアのウインターリーグに参加して武者修行。戦力外選手に対して異例とも言える厚遇に「本当に感謝しかありません」と恩を忘れない。「新潟のために腕を振り、またNPB12球団に戻ることができるように頑張ります」。まだ22歳。あどけなさが残る表情で新天地に飛び立つ。(大木 穂高) ◇高田 琢登(たかだ・たくと)2002年(平14)9月18日生まれ、静岡県出身の22歳。静岡商では2年夏の静岡県大会準々決勝で紅林(オリックス)擁する駿河総合に敗退。3年夏は同4強。20年ドラフト6位でDeNAに入団し、1軍登板はなし。1メートル78、80キロ。左投げ左打ち。