再送-独主要政党、2月総選挙控え公約発表 最大の争点は経済対策
Andreas Rinke Matthias Williams [ベルリン 17日 ロイター] - 来年2月23日に総選挙が実施されるドイツで17日、主要政党が選挙公約を相次いで発表した。 最大の争点は低迷する経済への対策だ。ドイツの成長率は2年連続でマイナスに陥ろうとしており、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は外国メーカーとの厳しい競争に直面するなど課題は山積している。この日公表されたIFO経済研究所の12月業況指数も、市場予想を下回った。 こうした中で世論調査の支持率が最も高く、政権奪取が見込まれている保守のキリスト教民主同盟(CDU)は、所得税と法人税の減税や電気料金引き下げを通じて経済のてこ入れを図る方針を打ち出した。 これらの措置には財源の裏付けが不明確だとの批判もあるが、CDUは成長ペース加速による歳入増加や社会福祉予算を一定程度削減することで賄えると見積もっている。 一方、CDU党首で次期首相が最有力視されるフリードリヒ・メルツ氏はこれまでのところ、財政運営と歳出に一定の規律を持たせるために憲法が定めた「債務ブレーキ」を維持する意向を示している。 これに対してショルツ首相が率いる中道左派、社会民主党(SPD)や、SPDと連立を組む環境保護政党、緑の党は債務ブレーキを修正したい考え。 緑の党のハーベック経済相は、メルツ氏はドイツが突き付けられている現実に正面から向き合おうとしていないと批判。「われわれはインフラを根本から立て直さなければならない。老朽化したインフラの全面的な改修には今後10年で推定数千億ユーロかかり、債務ブレーキの改革が必要になってくる」と訴えた。 ショルツ氏は、SPDが掲げる政策の目玉に雇用を挙げている。「最優先かつ最も大事なのは既存の雇用を守り、新規雇用創出の道を確保することだ」と強調した。 SPDは、特に国内生産とインフラ近代化に向けた民間投資にインセンティブを導入することも提案している。 ただ一部のエコノミストからは、こうした主要政党の政策でドイツ経済の大幅な変革が可能かどうかは疑問だとの声が聞かれた。 ハンブルク商業銀行のチーフエコノミスト、サイルス・デラルビア氏は「小粒の対策では効果がない。もっと大規模なものが求められる。(しかし)大半の選挙公約にそうした内容は見つけ出せない」と語った。 ※キャプションを日本語に修正し、再送します。