驚愕の事実…なんと、地球から「海が消える」。しかも、「予想を超えるスピード」で
スロー地震と水の関わり
驚きその3は、アウターライズ断層、スロー地震にも「水」が関わっている。 アウターライズ断層もスロー地震も、東日本大震災の後によく聞かれるようになった言葉です。プレートテクトニクスによって移動するプレートは、海溝付近で折れ曲がることによって亀裂が入ります。それがアウターライズ断層です。アウターライズ断層の活動から起きる地震は津波を引き起こす可能性があります。 また、断層から浸み込んだ海水は、プレートが沈んでいくにしたがって絞り出されますが、沈み込み境界にたまった水は断層を動かしやすくして地震を誘発しやすくなります。スロー地震には、プレート境界面の水や含水鉱物が関係しているそうです。
海はいつなくなるのか?
驚きその4は、その3で触れたアウターライズ断層からの水の侵入が、従来考えられていたよりもかなり多く、吸収された水はマントルの奥深くまで取り込まれてしまって、地表には戻ってこないのではないか、ということです。 地球内部に取り込まれた水は、火山活動によって地表面に戻ってくるのですが、その収支バランスが崩れると、海の水はどんどんとマントルに吸収されていってしまいます。 そもそも、33億年で海が消失するという研究があったのですが、どうやらそれを上回るスピードで、海水はマントルに吸収されているようです。では、あと何億年で海はなくなってしまうのか!? ぜひ本書を読んで確かめてみてください!(M) ◇ ◇ ◇ 水の惑星「地球」 46億年の大循環から地球をみる
ブルーバックス編集部(科学シリーズ)
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