鳥山明さんはフランスでいかに愛されていたか 大統領も首相も追悼、ドラゴンボールが与えた凄すぎる影響
732万人の登録者を持つユーチューバーのInoxtagは、2024年にエベレスト登山に挑戦すると宣言していますが、彼はつねづね「Shonen(少年)スピリット」に関して発言しています。彼は孫悟空のような少年漫画のヒーローが自分の限界を超える挑戦をすることから影響を受けていると認めています。いわく、少年スピリットを持ったヒーローたちは、自分のいる分野で最高になるという目標を持ち、限界を超えることに挑戦しているとのことです。 フランス人のインフルエンサー達を見ると、ドラゴンボールは単なる子供時代の思い出ではなく、今もいきいきと彼らの思いや作品、思想に入り込んでいる印象を受けます。それを表現し、他者に公にすることを恥ずかしがらない。国民性の違いかもしれませんが、日本での読まれ方との違いといえるかもしれません。 そして記事やコメントでよくみられるのが「日本への情熱の原点はドラゴンボール」という意見。作品をきっかけに、日本や漫画に興味を持ったり好きになったりしたフランス人は多いようです。 たしかに筆者が付き合う人たちをみても、ドラゴンボールのアニメ放送が始まる世代より上のフランス人は、日本に特別な興味がない人が多いです。逆に40歳前後より下の世代は、小学生も含め、ドラゴンボールや他の漫画を通して日本に関する何かしらの知識や興味があって、そこから会話が膨らむこともよくあります。 「親日」のイメージが強いフランスですが、そのきっかけにドラゴンボールも大きく関わっているのでしょうか。作品そのものの力でファンの心を掴んだだけでなく、日本という国のイメージにまで良い影響を与えてくれていたと思うと、感謝と畏敬の念に堪えません。
ヴェイサードゆうこ 翻訳家・ジャーナリスト。青山学院大学国際政治経済学部卒。ITベンチャーから転身し、女性向けweb媒体のライター、飲食専門誌の編集記者として執筆。2016年よりフランスに移住し、現在はYouTubeで現地情報を発信中(http://bit.ly/2uQlngQ)。 デイリー新潮編集部
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