次の「大地震」はいつ起こるのか…ナマズを使った「地震予知」は当たるのか、その答え
2011年3月11日、戦後最大の自然災害となる東日本大震災が発生した。あれから13年、令和6年能登半島地震をはじめ何度も震災が起きている。 【写真】日本人が青ざめる…突然命を奪う大災害「最悪すぎるシミュレーション」 しかしながら、これから起きうる大きな自然災害(首都直下地震、南海トラフ巨大地震、富士山噴火)について本当の意味で防災意識を持っている人はどれほどいるだろうか。 もはや誰もが大地震から逃れられない時代、10刷ベストセラーの話題書『首都防衛』では、知らなかったでは絶対にすまされない「最悪の被害想定」が描かれ、また、防災に必要なデータ・対策が1冊にまとまっている。 (※本記事は宮地美陽子『首都防衛』から抜粋・編集したものです)
地震は予知できるのか
未曽有の巨大地震は一体、いつ起きるのだろうか。技術が進歩し、「ChatGPT」といった生成AIがさまざまな分野で応用される中、人々の期待は災害対策への活用にも向けられる。人類の悲願は地震の「予知」だ。はたして「発生前」の予知は可能なのか。 日本の「地震予知」で知られるのは、大森房吉氏と今村明恒氏の二人だ。当時、大森氏は東京帝国大学の教授で、今村氏は助教授だった。連続記録が可能な地震計を世界で初めて開発した大森氏は「日本地震学の父」と呼ばれ、地震予知の研究にも力を注いでいたことで知られる。 上山明博氏が著した『関東大震災を予知した二人の男』(産経新聞出版)によれば、大森氏は地震発生前に鳴き声をあげるといわれるキジを飼って検証した。キジが鳴く日時を記録し、地震計のデータとつき合わせる作業を重ねた。 人間が感知できないレベルの初期微動を感じて鳴いているというのだが、キジが鳴いたときの半分近くで地震がみられたとされる。これをどう捉えるかだ。 地震を予知すると思われている生き物で有名なのは「ナマズ」も同じだ。大森氏はナマズについても検討を重ねている。地震発生前後に飛び跳ねるとされてきたナマズは、江戸時代の錦絵にも登場する生物だ。 地震で生じる電磁波の変化を感知していると見た大森氏は、この変化によって騒ぐとの見方もしている。ただ、大森氏は当時の科学で地震を理論的に予知することはできないと位置づけている。