「普通にやったら負ける」DeNAを激変させた選手ミーティング…筒香嘉智が提案、牧秀悟が招集、あのベテランの発言で「ムードがガラッと変わった」
筒香、桑原、山﨑だけでなく、宮崎も…
まず語りかけたのは筒香だった。 「みんなプロなので個人の成績を出すために準備して、フィールドに立つのは当たり前。それじゃあ現実的に何を変えるかといえば、みんながお互いをサポートし合わないといけないよね。ソフトバンクはやっぱり凄く強い。普通にやったら負ける。だから自分たちは束になることでしか勝つことができないから、束になる強さをもう1度、みんなで意識して行かないとダメだと思う」 筒香に続いて桑原、投手陣のリーダー役の山﨑康晃投手がそれぞれの思いを語りかけた。 そしてもう1人、その選手が語り出すと若手選手の間でもちょっとしたざわめきが起こったという。 ベンチ入り最年長の宮﨑敏郎内野手だった。 その体型からファンの間では「ハマのプーさん」の愛称で知られるベテランは、職人気質で普段からあまりこういうシチュエーションで選手たちに語りかけるタイプではない。 その宮﨑が選手たちを見回して、宮崎なりの言葉でこう語りかけたという。 「とにかくチームとして何かを得て終わろう。そこにトライしないと勝てないから、どんどんみんなでやっていこう」
ムードがガラッと変わった
その時のロッカーの雰囲気を柴田はこう振り返る。 「筒香さんとかの話でいい意味で、それまでのどこか落ち着きがないような雰囲気が一気に張り詰めた空気になったんですけど、宮﨑さんがああやって話すことは滅多にないですから。そこでみんな何かまた一歩、乗り出すみたいになりました。あのミーティングでチームのムードはガラッと変わった」 そして試合に入ると、柴田はいきなり1回の攻撃でチームの変化を感じたという。
勝つために、つなぐ意識
先頭の桑原が右翼戦に二塁打を放って、送りバントの1死三塁で打席に立ったのは牧だった。 カウント1ボール1ストライクから3球目を打った遊ゴロで3戦目にして初めてDeNAは先取点を奪った。 「シーズン中の牧ならあそこはチャンスを広げようとヒット狙いで行くところ。でもしっかり1点を取るためにゴロを転がすバッティングをしていた。あのバッティングを見て、『アッ、変わったぞ』と僕は思いました」 つなぐ意識、勝つために、チームのために、いま自分はどういうプレーを求められているのか。そのことを考えながら筒香の言葉通りにチームが1つの束となった。 そこからベイスターズの快進撃が始まったのである。 実はこの練習前の選手だけのミーティングはその後の4、5、6戦でも続けられている。 「昨日の試合はどうでしたか?」 「何か思うことがあったら言ってください!」 牧の声に応えて4、5戦目の試合前には筒香と戸柱、山﨑がそれぞれ声を挙げた。 「自分の思いとチームのあるべき姿、今後どうしないと良くならないかという話をさせていただきました」 戸柱は振り返る。
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