“誰にも気づかれずに”亡くなる20~40代が増加中 「孤独死」の裏に潜む深刻な問題とは
「2018~2020年に孤独死した若者が、東京23区で計742人確認されていた」と産経新聞が報じました。孤独死した人のうち、約4割が死亡から発見までに4日以上を要していたとのことです。この内容について伊藤医師に伺いました。 【イラスト解説】「うつ病」を発症している人に特徴的な“顔つき” [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
産経新聞が報じた内容とは?
編集部: 産経新聞が報じた、若者の孤独死の現状について教えてください。 伊藤先生: 産経新聞が東京都監察医務院への取材をもとに作成した記事によると、東京都監察医務院が2018~2020年までの3年間で、1人暮らしで異状死した10~30代の若者は合計1145人いたとのことです。 このうち、職場や路上などを除く自宅で死亡した孤独死は64.8%の742人に上っていたことも判明しました。 孤独死した人を年代別に分けると、30~39歳が402人と最も多くなり、次いで20~29歳が325人、15~19歳が15人となりました。15歳未満はいませんでした。 孤独死した人を、亡くなってから発見されるまでの日数について分類すると、最も多くなったのが2~3日で248人でした。 次いで0~1日が189人と多くなりました。その一方で、発見までに日数がかかった場合も少なくなく、4~7日で127人、8~30日で114人が確認され、31日超も64人いたとのことです。 東京都監察医務院は「孤独死の死因別の統計は取っていない」とのことですが、「742人の多くは自殺とみられる」と産経新聞は報じています。
若者の孤独死についての報道への受け止めは?
編集部: 今回、産経新聞が報じた若者の孤独死についての受け止めを教えてください。 伊藤先生: 東京都監察医務院のデータが示す若者の孤独死は、深刻な社会問題を浮き彫りにしています。精神的健康や社会的孤立への対策が急務です。発見までの日数が長いケースも多く、孤独の進行が見て取れます。 これらの数字は、若者へのメンタルヘルス支援や孤立を防ぐ社会的ネットワークの強化が必要であることを痛感させます。