自律神経の専門家が教える「体の不調が起こりにくくなる」呼吸法
うまくできない人のためのストレッチ
浅い呼吸に慣れてしまうと、呼吸筋が固まって肺がうまくふくらまず、深い呼吸ができなくなります。呼吸筋を柔軟に動かすストレッチをしましょう。 ・猫背解消ストレッチ 猫背を解消して肺を大きくふくらませるストレッチ。猫背や肩こり解消にも効果大。 [やり方] いすに座り、頭のうしろで手を組み、肩甲骨同士を近づけるように上体を後ろに反らせる。合計10回行なう ・脇腹伸ばしストレッチ 脇腹を伸ばして横隔膜がついている肋骨の間を広げます。肋骨と骨盤をつなぐ腰の筋肉もほぐれ、胸郭が開きやすくなります。 [やり方] ひざ立ちになり、両腕を頭の上で組み、ひざが浮かないように上体を横に倒す。左右1回ずつを1セットとし、10セット行なう。
長生き呼吸法でみるみる不調が改善!
自律神経のバランスが整って血流がよくなり、腸の働きが活発になると、相乗効果でさまざまな不調が改善されます。 ●肩こり 血中の老廃物が流され、肩こりの症状が軽減されます。息を吸うときの、胸を開いて背筋を伸ばす動きも、肩こり解消に有効です。 深い呼吸は呼吸筋のトレーニングそのもの。また、酸素を効率的に取り込んでカロリーの燃焼を促進。ダイエット効果が期待できます。 ●生活習慣病 血管が適度にゆるむ、血栓ができにくくなる、インスリンの分泌量が上がるなど、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の改善につながります。 ●うつ うつ病は脳内伝達物質セロトニンが不足することで生じると考えられており、セロトニンの90%は腸で作られています。自律神経を整えて腸内環境を良好に保つことで、うつ病を改善する効果が期待できます。 ●腰痛 ゆっくり深く呼吸をすると腹圧が高まり、インナーマッスルが鍛えられて体幹が安定します。体幹が安定すると、腰にかかっていた負担が軽減されます。 ●冷え性・むくみ 体内で作られた熱が血流に乗ってスムーズに末梢の血管まで届きます。血液が余分な水分や老廃物を回収するのでむくみも解消。 ●肥満 深い呼吸は呼吸筋のトレーニングそのもの。また、酸素を効率的に取り込んでカロリーの燃焼を促進。ダイエット効果が期待できます。
小林弘幸(順天堂大学医学部教授)