生命の初期段階の細胞分裂をコマ送り動画で可視化 沖縄科技大
観察手法としては新しいイメージング技術で、植物の成長動画などで使われるような、一定時間をあけて撮った写真を集めてコマ送り動画にしたタイムラプス撮影を企画。3分間隔で一つの胚細胞が数千の細胞に分裂する約10時間の写真を撮影した。 タイムラプス撮影の動画を確認すると、体細胞分裂で見られるのと同様に中心体から糸のようにタンパク質繊維が伸びるのに加え、細胞の中心に染色体が並んだ付近からも繊維が伸びていた。この現象には染色体の周囲で生成されているRan-GTPが関わっていることが分かった。
体細胞分裂で確認されている、染色体が分離前に正しく整列しているかチェックするシステムが無いことも判明した。それにもかかわらず「ミナミメダカの胚細胞は早く分裂が進むなかでも、染色体の分離が非常に正確」といい、「胚で染色体が均等に分かれる複雑なプロセスを理解する研究を進める上で役立つ」と清光准教授は話す。
今後はミナミメダカの胚細胞の分裂の仕組みが、ヒトを含めた脊椎動物で一般化することが可能か検証するなどし、最終的にはヒトの胚発生の理解につなげていきたいという。
研究は名古屋大学や国立遺伝学研究所などと共同で行い、英オンライン科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」に2月掲載された。