宝くじやエキストラが人気 深刻な就職難で“一発逆転”狙う中国の若者
日テレNEWS NNN
中国で急速に売り上げを伸ばしている宝くじ。いま各地で品切れ状態となっています。背景にあるとみられるのが、中国の若者の失業率の高さです。仕事につけない若者たちが向かう先を探りました。 【画像】中国の就職説明会 「若者の深刻な就職難」 ◇ 中国・北京のある場所で、いま“異変”が起きていました。 記者が訪れたのは、宝くじ店です。
記者 「スクラッチくじはある?」 店員 「ないよ。品切れです」 別の店でも… 記者 「スクラッチの宝くじは売り切れと書いてあります」 中国では去年、宝くじの売り上げが前年よりも4割近く増え、日本円にして12兆円を超える“宝くじブーム”に。中でも“スクラッチくじ”が各地で品切れ状態となっているのです。 ようやく“スクラッチくじ”を置いている店を見つけると、目立つのは若者の姿です。
お客さん 「外れた」 「私も」 実はいま、宝くじの購入者の約8割が、18歳から34歳の若者なのです。なぜ、若者が夢中になっているのでしょうか。 お客さん 「気分が良い時も、悪くなった時も買う。ただ楽しみたいだけ」 うさを晴らすためという若者たち。
中国では、若者の失業率が13%を超え、大卒の就職内定率は5割を下回る水準に。空前の宝くじブームは「働くより一獲千金を」と、多くの若者が“現実逃避”に走ったためとの見方も出ています。 スクラッチくじの品薄は、若者の行動を危惧した中国政府が、ひそかに販売規制に乗り出したからではないか、との指摘も…。 店員 「6月に国が新しい政策を打ち出したの。理由は知らない。急にスクラッチくじを送ってくれなくなった」 インタビュー中にも… 客 「スクラッチくじはないの?」 店員 「ないの」 ◇ 15日から始まった中国共産党の重要会議「3中全会」では、中長期的な経済政策などが議論されていますが、大きなテーマの一つが、“若者の失業対策”です。具体的な政策が打ち出されるか、関心が集まっています。