サンマ水揚げ増加も“豊漁”程遠く… 国際協調で資源回復へ
一方、全さんまが明るい材料に挙げるのが、日中韓台など9カ国・地域が加盟する国際的な漁業管理機関である北太平洋漁業委員会(NPFC)が、漁獲可能量(TAC)の制定方式を刷新した点だ。NPFCは今年、科学的根拠に基づき、前年比±10%以内の増減幅でサンマTACを修正していく規則を採択。これまで漁獲実績よりも多いTACが設定されていたため過剰漁獲に歯止めが利きづらい状態だったが、実態に即した資源管理が進むことで漁獲の安定性が高まると期待される。全さんまは「今年は9月に中国、10月に台湾がTAC制限により漁場から撤退した。資源の回復、公海での“先獲り”防止による日本へのサンマ来遊に期待している」とする。
全さんまは「来年もTACは10%減るだろうが、NPFCの枠組みは良かったと思う。引き続き国際的な資源管理が大切になる。まだまだ豊漁とは言えないが、底からははい上がっている。この流れが今後も続けば」と前を向いている。